そもそも、コンテンツとは何?
「なぜ、そんなに事業ネタが湧いてくるのですか?」
よくそんな質問をされます。
「人生は、コンテンツ」
私がいつも感じていることは、「生きていることの全てが、コンテンツ」だということ。
私はこのコンテンツを、「価値のある情報」という意味で使っています。
知りたい誰かがいるかぎり、すべての関心や興味、その経験がコンテンツ(価値)になります。
私がシリアルアントレプレナーでありパラレルアントレプレナー(俗にいう、連続起業家)として、30社の起業や経営に携わることができるのも、
それらの会社を通じて、また個人の趣味として、300くらいの事業(ちゃんと数えたことはないですが)を始められるのも、
すべては、「人生はコンテンツ」だと感じているからです。
すべての情報が価値になる。
だから経験や興味に加えて、あとは、価値にするための料理次第=つまり、ビジネスという仕組みを通じて届けることが可能だと思うのです。
コンテンツビジネスは、昔からの定番モデル
「価値のある情報配信」の当初の舞台といえば、コンピューター通信のコミュニティであり、インターネットが始まってからはブログでした。通信速度が上がってからは音声や動画も加わり、今はVoicyやYouTubeになりつつあります。
他の人が何を考え、どのように生きているのかを参考にしていくこと、それらは「知恵」や「叡智」などと呼ばれたりもしますが、そういった内容は太古から普遍です。
哲学や教訓といったものが読み継がれるなか、現代ではもっと身近な解決策や個別具体的なことに細分化されるようになり、今では自分に合ったそれらを「探す」ことが可能となりました。
つまり、自分にとって価値があるかないかは別として、自分の人生を、そして自分の興味のあることをアウトプットしていくことで、収入に変えられる時代がやってきたのです。
私が10年以上前に始めた、バジル栽培のサイトを例に挙げましょう。
今や6,000,000アクセスを超えるこのサイトの立ち上げのきっかけは、私が神奈川で暮らすようになり、日当たりが良さそうなマンションのベランダで、バジルを育ててジェノベーゼを作りたいと思ったことが始まりです。
もともと私は、田畑が広がるような地域で育ったので、栽培や食、健康などにとても関心がありました。
バジルについて、検索で調べても良いサイトが見つからない。
いろいろと自分で調べていくうちに、「ないのなら、自分がまとめて記録してみよう」
と思い、ブログを書き始めました。
初年度は大したアクセス数はなかったのですが、二年目から急にアクセスが伸びました。自動で出る広告のおかげで、微々たる収入が入って喜んでいたことを思い出します。
その後は、ほとんど放置しておいてもアクセスが下がることがなく広告の収入が入り続けます:
この経緯を綴るとそれだけで膨大なコンテンツになってしまうのでまたの機会に譲りますが(笑)、これ以外にもたくさんのサイトを運営しています。いずれのサイトも、自分の関心を記録して、自分なりの情報のまとめをしていくことで価値が生まれたものなのです。
音楽への興味が、時価総額8億円の企業に
思い返せば、こうした私自身のコンテンツビジネスの原点は、20代前半に手がけた音楽配信サイトにあります。
そのころは、音楽業界で仕事をしていきたいと思い、音楽を作っていました。音楽は形が見えませんから、音楽というデータをプラスチックの板に焼き付けて、CDという状態にして流通させなくてはなりません。そして、再生装置で再生することで、やっと音楽を聞くことができるようになるのです。
そして、この音楽も、価値のある情報、つまりコンテンツです。
私たちは、価値のある情報を手に入れようと、CDを買い音楽を再生させて楽しむという価値を得ていたわけですね。(それ以前はカセットテープであったり、レコードであったりしましたが、今となっては、インターネットで音楽が配信されるようになりました。音楽を価値ある情報と捉えれば、いずれも音楽というコンテンツを記録する方法の違いだけです)
当時の私がラッキーだったのは、インターネットが始まった当時、ブラウザーで音楽が聴けるということを、体験したことでしょう。
自分の音楽を作ってもなかなかレコード会社に聞いてもらえない中、インターネットを使えば直接ユーザに音楽を届けられる。大きな可能性を感じました。
私は、音楽をデータ化できる技術を世界中から探し、自分の音楽をデータ化してネットで公表しました。そして、ソフトによって音質がどのように変わるか、どのような使い方をすればどう表現できるのか、それらを検証するサイトを作成しました。
いうなれば、ただ情報をまとめて、価値のある情報として提供していただけです。
当時のインターネットはお金にならないので、みんなボランティアで育てるような雰囲気がありました。
結果的にそのまとめは、価値ある情報=コンテンツだったのです。
このサイトがきっかけとなり、 当時のほとんどのレコード会社のコンサルティングを受託しました。本は2冊執筆、さまざまな雑誌で連載も持つようになりました。
そのうち、「音楽配信を事業にしたい」という事業者が表れました。私は必要に迫られ「1週間でできる会社のつくりかた」という本で会社をつくりました。
そして一緒にサービスを開始したものの、先方都合ですぐに事業が終了。委託のお金が払えないというので、その事業を現物支給され、継承することになりました。
自前で作り直したアーティストの楽曲は、全世界の700レーベル数千人以上。
ある時、日経新聞の一面に取りあげられ、出資の電話が殺到。
その後にはマイクロソフトなどからも出資を受け、日本初となる音楽配信をすることになったのです。
結果的に時価総額8億円となった会社は売却(M&A)することになりましたが、その翌年にはiPodが出て、音楽配信の時代が幕開けしました。
興味がコンテンツとなり、日本初のサービスを実現するまでは、会社にしてからおよそ5年ちょっとの出来事です。
本の内容をコンテンツ化して、年間数億円の10万人のサブスクサービスへ
その後、私は心機一転、地球一周の旅へ出ます。そして、ビジネスでアートを消費してしまうのではなく、お金だけを稼ぐのではなく、社会課題を解決したいと考えるようになりました。
そして、ここでも「人生はコンテンツ」を経験することになります。
実は、地球一周の旅をして帰ってきたときには、世の中は自己啓発ブーム。書店の店頭には、人生のノウハウ本が溢れ、自分自身でも最初の会社からの立ち直るきっかけやヒントをもらうことができました。
しかしこうした本は、買ったは良いが、夕ご飯を食べて飲んで満腹になって良い気持ちなって、風呂に入って寝てしまうと、翌朝には買ったことさえ忘れています。
そして、「積ん読」が生まれます😅。自分もまさに、買った瞬間に読んだ気になってしまう1人です😂。
本気で自分を変えたいと思っていても、人間はだらしないし、いい加減だし、忘れん坊なので、やっぱり忘れないようにすることはできないし、加えて習慣にすることは難しい。
私がその当事者であったので、
忘れないようにする(リマインドする) + 習慣にする(繰り返す)
がどうにかならないかと考え、音楽配信のように配信をしていくことができればと思いつきました。
当時、着メロの配信をしていたので、iモードなどでコンテンツとして提供ができたら面白いんじゃないかと考えたのです。
そこで、1週間分の書籍のサマリーをコンテンツ化。それを毎朝メールで送るのをスケジュール化して、配信をしました。その気になって、やろうと思った時にセットをすると、翌朝からお節介メールが1週間飛んでくるというサービスです。
セルフラーニング、モバイルラーニングという仕組みの1つで、これを応用して出来たのが、ステップメールです。(当時はコンテンツに興味があり、ステップメールというプラットフォームに興味がなかったので、作ったものの売却をしてしまいましたが・・・)
iモード全盛期の時代でしたから、このサービスは当たって月間10万人(月額300円)のサブスクリプションが生まれました。たかが300円でも10万人ですから年間3.6億円です。
これをもとに、ストレスのことや、MBA、著者のノウハウを配信するサイトなどをいくつか展開しました。
NPOでも、累計10億円の活動に
地球一周して社会課題解決のビジネスにシフトしようと決意し立ち上げた、NPO法人コモンビートもまたコンテンツです。
NPOなんて、ボランティアでしょ。
ミュージカルなんて、お金にはならない。
そんなことを言われました。
私はミュージカルをしたいわけじゃなく、それを通じた学びやメッセージを形にしたいと思ったのです。
社会課題解決をしたいが、単にひとつの課題を解決しても次々問題は生まれてきてしまいます。
だから、「新たな価値を創造して、課題の多くを解決していきたい」と考えて作ったコモンビートでは、プロではない一般市民が参加することで舞台を作り上げる、「ミュージカル」というコンテンツを提供しています。
いわゆるライブ(公演)をすることは、コンテンツにお金を払うというビジネスモデルです。
また、プログラムを提供する中で、参加する人たちの人生そのものが、他の人にとってのコンテンツ(価値)になることにも、気づくことができました。これは学びを得る教育というコンテンツ(価値)への参加費です。
得たい人がその価値を払う、それがコンテンツです。
結果的に私が代表の時代に年間1億円規模の事業になり、15年ほどで累計10億円に達しました。
人生は、すべてがコンテンツ
私は、世の中の全てがコンテンツになると思っています。
もちろん、どのように価値に変えていくかということは考えないといけませんが、それでもネタは無限にあります。
(私の人生そのものがネタの宝庫ですが😅)
そもそも、自分が解決したいことに対して、知っているもの(価値)を手に入れて解決しようとします。
しかし、その課題は自分が思っているような方法では解決しないことがほとんどです。
自分にとって価値を感じられない、なんの変哲もないことでも、場所と相手を変えれば価値になっていきます。どんなにつまらないと感じたことでも、それを知らない人から見れば、新しい発見になります。捉え方を変えるだけで、それは価値に変わるのです。
最近では、これを「越境学習」として習得しようとしていますが、情報はいろんな形で価値を変えていくもの。
その価値を感じてくれる人とビジネスをすれば、マネタイズが可能になるのです。どんなにつまらないYouTube動画であっても、別のある人には価値になるからこそ、YouTuberという仕事が成り立つのと同じように。
どうですか?
何でもビジネスになる気がしてきませんか?
自分が描く世界を実現するためにアクションをしていくこと。私は、これこそアントレプレナーシップであると思います。
あなたの人生も、誰かの人にとってコンテンツです。
誰もが起業家になれるし、社会の価値に変わる。
ぜひ発信をしてみてください。