ストーリー(物語)の作り方 ~桃太郎で考える、三幕構成で作る基本的なストーリーのつくりかた

段取りの技術

三幕構成

ストーリー(物語)と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?

いろいろな昔話、映画、ドラマなど、様々な作品を思い浮かべますね。
ストーリーは、いくつかの話(幕、段、話)になっていることもありますが、1つが全体で完結するように作られています。
そのストーリーにも、大きな流れがあり、それらは構成と呼ばれるいくつかの区切りがあります。

その区切りがあることによって、人がそのストーリーに興味を持ちます。

たとえば、桃太郎の話を題材とします。

鬼たちは村からいろいろなものを盗んだ流れてきたももから桃太郎が生まれる仲間を集めて鬼ヶ島に退治にでかける鬼を退治する盗んだものを持ち帰り、村が平和になる
簡単にいえば、このような構成になっています。
(なお、この物語の前提が最初には語られていませんが、鬼が村のものを盗んで宴会をしている場面が途中に描かれています。)

たとえばこの物語に、鬼がいなかったとしましょう。
桃から生まれた桃太郎は・・・・おじいさんとおばあさんと、仲良く幸せに暮らしたとさ。
と終わってしまうでしょうか。
やはり、鬼がいるからこそ、ストーリーが成り立ち、盛り上がりますよね。

あるいは、優しい仲良しの鬼がいたとしましょう。
桃から生まれた桃太郎は・・・・おじいさんとおばあさんと・・・鬼と仲良く幸せに暮らしたとさ。
まあ、それはそれでいいですが、見せ場がありませんね。

きっと、語り継がれる昔話にはならなかったでしょう。

桃太郎のストーリーをよく見ると、
前提
があって、
対立
があって、
結果
があるという構造になっています。

このようなストーリーの構成は、三幕構成と呼ばれます。
三幕構成は、劇はもちろん、様々なプレゼンでも用いられているシンプルなストーリーの技法です。

1.設定
2.対立
3.解決

この三幕構成を見てみましょう。

1.設定

物語には、様々な背景や状況設定があります。現状があるからこそ解決したいことがあり、そのための道筋があります。

2.対立

様々な解決には障害や衝突などがあります。それらを乗り越えるための様々な困難があります。

3.解決

対立によって生み出された障害を克服し、それを乗り越えたところに答えがあります。その解決が、直接的な解決とその解決によって導き出されるより大きな解決という新しい価値が見いだせると、よりその直接的な解決に意味をもたらします。

桃太郎の場合に当てはめると、

1.設定鬼たちは村からいろいろなものを盗んだ流れてきたももから桃太郎が生まれる
2.対立仲間を集めて鬼ヶ島に退治にでかける鬼を退治する
3.解決盗んだものを持ち帰る村が平和になる

となりますね。

以前にミッションの回で紹介をした、松下幸之助さんの逸話を置き換えてみると、以下のように整理されます。

1.設定(現状)
電球がないと街や家が明るく照らされない。

2.対立(課題)街が明るくないことで、怖い顔をして帰らなければならない。
家が明るくないことで、絵本が読めない。

3.解決おああちゃんが、安心して帰ることができる。
子どもが家で絵本を読んでもらえて嬉しい。

三幕構成は、とてもシンプルですが、とても深いシナリオ構成です。
とても多く使われていますし、とても使いやすいものです。
シナリオを聞きたい側も、このような構成を望んでいる/期待していることもあります。
やはり、何か大きなハードルを越えていくというストーリーは、心を惹きつけるのです。

桃太郎の話には、対立する敵「」がいました。
金太郎の話には、対立するものがありません。

私が周りに聞いた感じでは、桃太郎のストーリーはだいたい言えますが、金太郎は歌を歌う以外にストーリーを言えた人はいませんでした。

何か障害を乗り越える、そんなストーリーが印象に残っているのかもしれませんね。

ストーリーには、三幕構成以外にも様々なものが存在します。

しかしどのストーリー手法にもこうしたヤマ場が用意されています。

私たちが、何か行動を起こすとき、いつもそこに課題があります。
課題がなければ、立ち向かう理由がありありません。

企業のビジョンやミッションも、このようなストーリーの上に成り立っています。
ビジョンにもストーリー、ミッションにもストーリー、そしてそれら全体のストーリーがうまく繋がっていれば、人は引き込まれるように理解することができるでしょう。

ストーリーは、強く人を引き込む力を持っているのです。