子育ては、みんなのギフト

メッセージ

子育ては、今を生きる私たちと社会、そして未来へのギフトなんだ!

子育てをはじめてから12年経ったいま、
僕は、心からそう叫びたい。

「子育て」と聞くと、子育てをしていない人には関係がないように聞こえますよね。
でも、そうじゃない。

僕らの社会にとって、「子ども」って何なのか、「子育て」って何なのかということを、3つのギフトという視点からまとめてみました。

(ギフトの3つの定義:善意の提供、価値は受け取った相手が決める、直接交換ではない)

子育てを通じて、親が受け取るギフト

子育てをする親は、子供から1番大きなギフトを受けとることでしょう。

どんなギフトか?・・・表現のしようもないほど、愛おしいギフトです。

僕は、子供を授かったその時から、子育てを楽しもうと決めました。

実際に楽しめるかどうかはわからないけれど、一生に何度とない貴重な機会が巡ってきたのだから、その時間をちゃんと経験してみたいと思ったのが1番の動機です。

あれから時間が経ち、まもなく12歳。
3月には小学校を卒業し、そろそろ思春期を迎えようとしています。
親から飛び立とうとする時期に入るのが嬉しくも寂しくもあるように、本当に経験できて良かったと思います。

0歳のおむつ替えから、寝かしつけ、幼稚園の送り迎え、学校から帰ってきたときの在宅、小学校からの呼び出しにお迎え、ご飯を作ったり風呂に入れたりなど、自分にとって可能な限りの時間を共にしたと思います。

2番目の子供が小学校に上がるまでの10年間、夜は2ー3時間おきに起こされるという日々が続き途方に暮れましたが、終わってしまえば懐かしい思い出。
苦楽体験は絆を深めるといいますが、夫婦の絆は、より深まったと思います。

子育ては、親にたくさんの課題を突きつけます。
その過程で、自身の生き方を見直したり、人や社会との関係性を見直したり、社会や政治に対しての意識が変わったり、未来の課題や希望を持てたり・・・やっぱり時間を共にする時間が多ければ多いほど、親が受け取るギフトは多いと思います。

あまり子育てに参加していないお父さん、こんなプライスレスな経験をしないなんて、とってももったいないですよ。
子どもは、あっという間に大人になってしまいます。
だから子どものうちに時間を一緒にしておかないと、このギフトをもらいそこなってしまいますよ。

子育てを通じて、社会が受け取るギフト

人がいなければ、社会が成り立たない

そんなことを考えたことがあるでしょうか。
当たり前すぎて、考えたことがないかもしれません。

世界の人口は増えていますが、日本の人口は減っています。
比率として、少子高齢化と言う言葉があるように、子供が減り、高齢者が増えています。

このまま、働ける人の人口(労働人口)が減ったら、社会はどうなるのでしょうか。
たとえば、製造業はすでに、生産が追いつきません。地方はすでに、人口減少が加速し、地域を維持することさえ、難しくなりつつあります。

外国から日本にやって来てもらって仕事を頼むのも1つの方法かもしれません。
でも、自分の国のことですから、やっぱり日本で子供が増えることがとても大切ではないでしょうか。

そのためには、自分の子は社会の子(一員)でもあるわけですから、自分に子どもがいる/いないに関わらず、子供をみんなで育む環境をもっと社会全体で改善していく必要があると思います。

そして、育児によって社会との関わりを閉ざされた女性たちに、もっと社会で活躍してもらえる場を増やせば、社会はもっとうまく回るのではないでしょうか。

社会が子育てを応援すれば、今の社会がもっと直接ギフトを受け取れるはずです。
企業が社会課題を探したり、スタートアップが社会課題をビジネスにするのも大切ですが、社会の困り事を1番知っている子育に関わる女性たちに、社会で発言し活躍する場を作ることが最優先だと思うのです。

国の人も、経営者も、ちゃんと子育てに従事することが必要だと思います。
子どもは社会の資産です。だから、誰かの子ではなくみんなの子として育てることで、国や会社を牽引する人材にもなるのですから。
NPOまめっこ 創業者の丸山さんとも話をしていて、「25年何も変わっていないわよ」と聞いて愕然とする・・・国も経営者も、みんな今が大変そうだから、と。

環境のことを考えない企業がその姿勢を疑われるように、子どものことを考えない企業も同じような認識にならないだろうか。

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子育てを通じて、未来が受け取るギフト

社会を循環させていくために人が必要なのですが、ただの人数合わせということではありません。

社会は、人の思いが描くもの。
人が、社会をつくっていくわけです。

より豊かな社会を描いたり、幸せな循環を創造したり、思いやりを育む人との関係など、希望や期待が持てるような社会イメージが大切だと思うのです。

でも今の子育ての状態はとても過酷で、誰もがあまり良いイメージを持つことができなくなっていると思います。

性別役割分業、ジェンダーギャップ、シングルマザー、ワンオペ育児の常態化などの何年も変わらない社会通念と、ここから複合的な重なりによって原因の一つにもなっているであろう貧困、虐待、育児放棄などの果てに生まれた事件や事故が日々増えています。
全ての原因が育児ではありませんが、大きく影響していることは明らかです。

子育てはいつも、「お金」にふりまわされます。
仕事や暮らし、教育などを考えるほど絶望的な気持ちになり、そんな大人を見る子どもたちは、子育てに対して前向きな気持ちになるのでしょうか。
お金がないと教育がマトモに受けられず老後が安心して過ごせないなんて、途上国よりも深刻な状況だと思います。

残念ながら僕も、いまの社会の未来に不安を感じずにはいられません。

僕らには、寿命があります。
だから、いくら未来を語ろうが、僕らはその未来に生きることができないのです。

今の時代に、もっと親も社会も子育てに時間を使えるように、社会の仕組みが変わらなければならないと思います。

僕らが、過去からギフトを受け取ったように、僕らは未来にギフトを受け継いでいくことが、今を生きる僕らの最低限のマナーではないかと思います。
でもこのままでは、未来の人がギフトを受け取れないどころか、ギフトという名ばかりの荷物や負債になるかもしれません。

地球を汚さない、美しい未来を作ろうというムードは高まっています。
それと同じように、子育てが豊かな未来をつくる基盤になるということにもっと意識を向けてほしいと思います。

そのためには、今という時代をよりよく生きる人たちを増やすことです。
子育てに関わる大人がもっと未来を明るく語り、その子供たちがそんな大人の背中を見て健全に育つ、そんな循環を生み出すことが大切です。

私たちが未来の子どもたちにできること、それは今の子供たちや社会にできる最大のギフトではないでしょうか。

僕が創業したコモンビートは、「大人が変われば 子どもも社会も未来も変わる」というスローガンを掲げていた時期がある。
あんな大人になりたい!大人って楽しそう!
そんな成長したくなる意欲や楽しみをギフトできるのが、大人の役割じゃないだろうか。

NPO法人コモンビート|コモンビートは、表現活動によって自分らしく・たくましい個人を増やし、多様な価値観を認め合える社会の実現を目指すNPO法人です
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いろいろと長くなってしまいましたが、子どもを社会が育てる環境をつくりたい。
子育てというギフトエコノミーがどうデザインできるか、もっとみんなで考えていきたいと思います!

子育ては、みんなのギフト

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