起業家は、自分の時間が自由に使える反面、時間が無限に使われていくという矛盾もあります。
経営しながらの子育ては、どうやって両立したのでしょうか?
両立なんて、できていませんね。
今も(笑)
実は最初の子が生まれた時は、手伝っていた会社の経営が悪くて、私が売却先を探しに行って、売却をした直後だったんです。
生まれる直前と言うのは、ある意味で不気味な静けさというか、お祭り前夜というか、振り返ればそんな余白があったように思います。
一旦子供が誕生してしまうと、全てが子供の時間を中心に動きますよね。
自由に動ける経営者やフリーランスであっても、自由に動ける分、その時間が全て子供のために埋められてしまうという、どの家庭でも起こる過酷な状況が生まれました。
やることが無限にある一方で、かといってやれることも限られる部分もあり・・・一方で仕事のことを考えていかなければならない・・・なかなか難しいなぁと感じていました。
そこで僕が選んだ選択は、事業売却した会社の正社員になったのです。
社長が、他者の正社員を兼任する!?
社長をしながら、他社の正社員になるって・・・!!??って感じですよね。
事業を売った成り行きもあって、いずれにしても事業を見てゆかなくてはならない状況がありました。
当時も複数の会社を経営していました。でも正社員という給与を守られた上に、最低時間働けば解放されるという条件は、僕にとって魅力だったんだと思います。
起業家や経営者って、仕事のために時間を無限に使ってしまいます。
「この時間だけ仕事をすれば良い」という時間を制限された方が、ちゃんと育児の時間を確保できて都合が良かったのです。
事業譲渡が7月、誕生が8月なので、誕生直後から2ヶ月は業務委託としていたので、ほとんど家にいていろいろとやりつつ、少しリズムができてきた時点で正社員に切り替えたのです。
正社員という権利を得て、フレックス出社、子看護休暇、有給の前借り、欠勤(無休)するとか、特典を最大に活用して、見るからに不良社員だったと思います。
すでに数社の起業・経営をしてMAなども何度も経験してきたので、雇用契約のあらゆることを知っているわけです。何ができて何ができないのか、会社が受け入れられることと拒否できないことなども、知り尽くしているからこそ、それをうまく活用できたのです。
ついでに加えて、出世とか、昇給とか、評価とか、まったくもってどちらでもいいので、必要な時間は全て家に帰ったり休んでいました。
代表や役員の会社は、誰が経営していた?
…で、代表をしている会社のほうは?
心配になりますよね。(笑)
代表をしている会社や組織は、すでに現場のトップが現場を中心に回っている組織になっていました。
役員をしていた会社も常勤をする必要がない役割をしていたので、まとまった時間を定期的に必要な心配はなかったのです。
加えて、
それらの会社から自分への報酬を期待しなければ、いろいろな投資に回したり、人材を育てる時間に充てるなどができます。
社員になって半年後、東日本大震災が発生
そんなわけで、ちゃんと子育てする時間を確保しながら、最低限の仕事で収入を確保していく状況ができた・・・そんな時に、あの、東日本大震災が発生しました。
6時間かけて家まで歩き(途中から車に送っていただきました)、家に帰ったら計画停電で真っ暗な中で生後6ヶ月の乳児を抱える妻が待っていました。
いろいろと大変であったものの、私は収入という面を最低限守られたんですよね。
同じ会社の派遣の人は、震災で事業が停止して稼働がない期間、何も保証されないという状況・・・というのを目の当たりにしました。
正社員って、いろいろな意味で守られているんだなぁと実感しました。
その3年後に2人目が産まれ、私は休職をしました。
3歳差の2人を育てるのは、2人がかりでも難しいですしね。
仕事のこと、収入のこと、家庭のこと、将来のこと・・・
いろいろなことを分けて考えて、自分なりにどうでにでも選択が取れる状態がとっても大切だと思います。
まとめ
社長であっても、正社員という選択肢もあるんですよ!
特に副業や兼業が当たり前になる時代は、なんでもアリです。
起業したからといって就職がないということでもないんです。
僕らにはいつも何か思い込みがあり、選べない壁を自分が作り出しているように思います。
先入観を捨てて、何でもアリという生き方をしていくと、いろいろなことを乗り越えて行けるんじゃないかと思うのです。
サスティナブル起業というテーマでいろいろと書いていこうと思うので、またお時間があったら読んでください。
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