2.保険と借金のはなし ~住宅ローンの繰り上げ返済をしない5つの理由

借金を抱えているのは悪いこと?

「借金を抱えている」と聞くと後ろめたい気持ちになりそうですが、それは何も悪いことではありません。

ちゃんと「払える」という信用を銀行からもらったからこそ、銀行はあなたにお金を貸したのです。

でもあなたは、そのお金が本当に返せるのかの確証はありません。

収入が生涯一定ではありませんから、仕事がなくなって返済が滞ったら・・・と考えてしまうこともあるでしょう。

では売ったら何とかなるのかと言えば、実際の査定は厳しく、手数料も驚くほど高額です。

貸すといっても相場がありますし、空室になるリスクは排除できません。

「いつ、何かあったら、住宅ローンの借金だけが残ってしまう・・・」

そんな借金への負のイメージが借金を悪者にし、あなたを繰り上げ返済に走らせるのかもしれません。

銀行だって、保険をかけている

でも、銀行も全く見込のない相手に貸しているわけではありません。

返済ができないことも想定にいれて、保険に入るなどしています。

所得保障保険だったり、団体信用保険だったり、借りた側をいろいろな保険に入れて、滞りなく返済がなされるように安全策をとっています。

もちろん、そういったことでカバーできないこともありますし、天災などもあります。

でもその時は、あなただけがその借金を抱えるわけではありません。

万が一のことがあった場合、そしてそれが保険で適応される場合にはどうなるでしょうか。

もし繰り上げ返済をしていたら残金が保険に充てられるだけです。

万が一のとき、返済をしていた場合としてなかった場合の違い

繰り上げ返済をせず現金を手元に残していても、ローン残金が保険に充てられます。

手元の現金を残金に充てろ・・・とは言われません。

たとえばガンなどの病気の治療で高額の医療費がかかるとします。

ガンになったらローン残金がすべて完済されます。(ガンの状態や契約内容にもよりますが)

ローンの繰り上げで手元にお金がなかったら、治療費も出ません。

ですが、手元に現金を持ち、ローンの繰り上げ返済を保険でしてもらえれば、手元の現金で治療に専念できます。

もしかしたら、それでガンが治るかもしれません。

借り主の夫が亡くなった場合、手元に現金があれば残された人に渡りますが、

いろいろな条件はあるものの、住宅ローンは保険で返済されますが、繰り上げ返済されたものは戻ってきません。

4000万円の住宅ローン残金があって、2000万円の繰り上げ返済をして手元に200万円しかないとしたら、

万が一の時にはローン残金の2000万円が相殺されますが、200万円しか残りません。

でも、繰り上げ返済せず手元に貯めておけば、ローン残金の4000万円が相殺され、手元に2200万円が残ります。

「万が一の時に、ローン残金は全額返済される」

未来は誰にもわかりません。

万が一は、起こらないとも限りません。

→ 3.予測不能な時代の現金価値

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