段取り八分 ~仕事も舞台も、できる準備はすべてやっておこう

段取りの技術

段取り八分

コモンビートの活動で行うミュージカルの公演は、本番の時間が約80分。これを2日間で3回行います。
このトータル240分、4時間ほどのために、それはそれは長い年月をかけてつくりあげていきます。
段取り八分という言葉があります。
段取り八分 とは、

何か物事を進める際に、事前の準備がいかに重要か

ということを表した言葉です。
「段取りをしておくことで、全体の8割はできたようなものだ」
という格言です。
ミュージカルの興業を行う場合、その2日間で計4時間のために、約1年半ほど前から準備が始まります。

そもそも、次回のミュージカルをするのか、できるのかなどを検討するところからです。
およそ400日と考えても、2日間の残りの日数が8割という比率ではありませんが・・・

そのくらい、準備に時間をかける必要があるということです。
準備というのは段取りの1つです。
いくら準備をしても、本番の舞台が最高のものにならなければ意味がありません。

でも、予めできることはすべて行っておくくらいの段取りがそこにはあります。

予め行っておくことというのはどのくらいあるのか?
正直なところ、無限です。

でも、やることは無限ですが、時間は有限です。
ですから、その中から、段取りをしていく中で、必要なものを調整し段階を踏んで設定していく必要があります。

段取り八分は、本番の直前まで続きます。
最初の頃にできる段取りと、最終の直前にできる段取りは異なります。
最初であれば技術のダメだしができても、直前では気持ちを最優先します。

舞台では演者本人の気持ちに任せる以外に、最善の方法がありません。
直前にいろいろな技術的ダメだしをするくらいなら、もっと早めにその対策をとっておくことが段取りの1つでもあります。
直前にあれこれ指摘されすぎて、舞台でその指摘が気がかりで硬直し、別のミスが出てしまうことだってあります。
最終的にどの状態でベストにもっていくのかという判断は必要ですが、最善を尽くすことが段取りの1つでもあります。

でも、なぜ段取り十分ではなく、段取り八分なのでしょうか。
段取りの残りの二分を残しているのは何故なのでしょうか。
それは、段取りは十分(すべて)はできないということを表しているからなのでしょう。
いくらすべて段取りをしたとしても、予期せぬことは起こりますし、その段取り通りにコトが運ぶこともほとんどありません。
ですから、残りの二分を残しておくことで、修正や変更に対する備えができるということもあるでしょう。
残りの二分を残すということも段取り八分のうちに入るのかもしれません。
また、段取りをしすぎて、その段取りに囚われてしまうこともあります。

ここまで段取りしたのに。。。。

段取りを相手に押しつけたり、段取りをした自分の苦労を認めてもらおうとするのは、少し違いますね。
段取りはあくまでも本番である舞台や仕事などで目的や成果を発揮するための準備です。
準備というのは取り越し苦労ということは当たり前です。
段取り八分で8割の準備ができたとしても、実際に段取りとして準備したことが100%活用できるとは限りません。

むしろ、たとえばリスクのための準備したことは、実際にリスクがないほうが良いのでその準備は使われなかったことで良かったわけです。

リスクの段取りは使われなかった方がよいわけです。

ですから、段取り八分とはいえ、そのうちに半分も活用されなかったとしても、目的が成功されればそれで良いのです。

だいたい、8割くらいの段取りまではやっておこう。
それは、
「だいたいここまでやっておけば大丈夫」
というラインのことでしょう。

物事にも自分のやれることも、人によって異なると思いますが、そのような意識を持って段取りをすることに意味があるということですね。