手順を変えるのが難しい、料理の段取り
料理で、段取りの段について深く理解をしてみましょう。
料理というのは、手順を変えることがとても難しい作業です。
たとえば、
切る → 煮る → 味付けする
といったような順番がありますが、この順番を入れ替えることができません。
・・・当たり前ですよね。。。
でも、それを私たちは簡単に入れ替えてしまうことがあります。
絶対に入れ替えられないものは替えようと思いませんが、
後からでも調整できそうなもの
順番を忘れて飛ばしてしまうもの
などは、順番が入れ替わりがちです。
意識的に入れ替える必要があるものは良いですが、
無意識に順番を入れ替えたり飛ばしたりすると、目的を達成できないことが多くあるのです。
ゴールに達するというのは、ゴールするという条件を満たすものだからです。
ですから、小さな1つ1つのゴールを満たしていくことが必要なのです。
料理は、連続ドラマ
ドラマやマンガといったようなものは、1話ごとに順番に流れていきますが、それらは順番を入れ替えることができません。
つまり、ストーリーなどの流れになっているものは入れ替わりません。
一方、ストーリーになっていないようなものは、順番が簡単に変わります。
たとえば、1話完結型のテレビ番組やアニメなどがあります。
ドラえもん
サザエさん
ちびまる子ちゃん
ピタゴラスイッチ
世界の車窓から
・・・
いつ、どのタイミングから見ても、前回を見ていないからといって内容がわからないということはありません。
ですから多少順番を入れ替えても、視聴者には何もわかりません。
1話1話に繋がりのないものは、並列に考えられます。
しかし連続ドラマのように、1つが終わらなければ次が始まらないといったような、全体が1つのストーリーになっているようなものがあります。
料理は連続ドラマのようなものです。
たとえば、カレーなどの料理をドラマのような章立てで考えてみましょう。
第一章:材料が揃ったら、料理を始める
もし材料が揃っていなければ、途中で中断をして買いに行かなくてはなりません。
第二章 :材料を洗い、皮をむき、切る
材料は一気に洗ったほうが良いかもしれませんし、洗いながら切った方が良いかもしれませんね。準備のできていない食材があると、そこで一旦調理を止めなくてはならなくなることもありますね。たとえば、解凍が必要な食材を忘れていた場合には、解凍まで待つ時間がかかってしまいます。
第三章:炒めて煮る
火の通りにくいものなどから炒めて火を通していき、そして水を入れて煮込みます。
第四章:味付けをする
すべての具に火が通ったら味付けをします。すべての食材に火が通っているという条件が必要です。
第五章:盛り付けをする
ごはんを用意し、カレーを盛り付けして完成です。
このような流れでカレーが出来上がりますが、1つ1つの章を飛ばすことができません。
そして、1つ1つの章が小さなゴールになっていて、それぞれの条件を満たすと次の章へ移るという段階を踏んでいます。
これが段取りの段の意味なのです。
1つ1つの章で条件を揃えていくという作業がとても大切なのです。
もちろん条件を満たさず次の章へ行くことも可能ですしそうしなければならないこともあります。
臨機応変にそういった判断も必要ですが、それはまた別のテーマでお伝えするとして・・・段取りの段をイメージはこうした段階(条件)なのです。
ですから、
になります。
たとえば「第三章:炒めて煮る」から「第四章:味付けをする 」にあたり、
絶対にすべての具に火が通っている必要があるのか?
といえば、そうでもありません。
味付けをしてから再度煮込むことになりますし、火をつけて煮込まずともある程度の熱さがあれば時間で火がとおっていくこともあります。
ですから条件は、
残りの時間で火が通るということを見越した火の通り加減
ということになります。
また、多少火の通りが甘くとも大丈夫な食材もあれば、火が通り過ぎて美味しくない場合もあります。
そのどちらを選ぶのかということは、最終目的に沿った判断(食べる人の好み)になりますので、そこで火のとおり加減の条件を設定することになります。
段取りにおける段とは条件です。
1つ1つの段階の条件をクリアしていくことで、目的へと近づいていきます。
その条件の設定によっても、条件クリアしたかどうかの判断が変わります。
甘い条件、厳しい条件など、基準は様々です。
仕事も、料理と同じ条件クリアの連続
料理の段階で条件設定をするように、仕事でもこうした条件設定をしています。
この条件設定をどのようにするかというのが、段取りの質に関係してきます。
どこに、どのような条件の段をつくるのか
生活の中で、意識をしないと段の存在はわかりません。
私たちは自然とその段を踏んでクリアしていくので、
あえて段を作れと言われてもなかなか作れないのです。
ですから、生活する中で段がどこでどのように存在しているのかを意識していくことで、段を作るという視点が生まれてくるのです。
そのためにはまずは、段取りの段のイメージを自分なりに掴むことがとても大切です。
集合したら出発する
合格したら進学する
陽が昇ったら起きる
いろいろな条件が、私たちの段取りの段をつくっています。
そうした段を意識して一日を過ごしてみると、段のイメージや段の条件設定の感覚が掴めてくると思います。