段取りが悪い
「段取りが悪い」
ビジネスシーンや何かの運営などをしている時に、こんな言われ方をされてしまうことがあります。
一体、それはどんな時でしょうか?
時間が守れなかった時
関係者のうまく合意が取れなかった時
スムーズに進行がされていないとき
情報の伝達がうまくいっていないとき
何か状態が悪い時など、関係する人がみんな困っている時によく使われるようです。
ここで言う「段取り」とは、何を示しているのでしょうか。
段取りの意味
単なる準備でしょうか?
ある人に聞いたところ、
「うまくやること」
と回答がありました。
きっとその上司も、段取りと言う言葉をいろいろな解釈で使っているかと思います。
それぞれの解釈で「段取り」を使うものですから、言われた側も「段取りをしろ」と言われても、何をしていいのかよくわかりません。
そこで、「段取りの本」を買って実践しますが、やはりできません。
一体、段取りとは、何でしょうか?
辞書には、
段取り (だんどり)
1)芝居などで、筋の展開や組み立てのしかた。
2)物事を行う順序や手順。また、その準備。 (大辞泉)
とあります。
これを見ると、手順や準備などと書かれているので、何か決まったものがあるように感じます。
しかし、段取りの手法や手順などが書かれてている本を買ってその真似をしても、やはり思ったような段取りができるようにはならないのです。
本を買っても、段取りができない理由
ではなぜ、段取りができないのでしょうか?
それは、
段取りは、手段や手法ではなく、思考そのもの
であるからです。
段取りというのは、環境や前提などによって変わり、筋道も異なります。
ですから、何かの例を取って、その手順だけを真似したとしても効果は乏しいのです。
つまり、段取りそのものの再現性があっても、条件が異なり過ぎているので、効果は期待できないのです。
これが、本を買っても段取りができない大きな理由です。
段取りをマニュアルのように捉えるからこそ、その段取りのマニュアルに囚われて結果を出せないという矛盾に陥ります。
つまり、環境変数がどのようにその段取りに影響を及ぼしているのか、段取りをする前に状況を大きく捉えて感じることが大切です。
果たして、いまからやろうとしている段取りは、前提条件が同じなのだろうか?
と。
段取り本に書かれている手法(メソッド)は、ある段取りの一部にしか過ぎません。
それが適切に効果を出すのか、今一度、状況を理解して、向かう方向に沿ったものなのかを俯瞰的に感じる必要があるのです。