コミュニティの「運営チーム消耗問題」を解決する3つのヒント

アントレプレナーシップ

最近、コミュニティに注目が集まり、イベントやセミナー、NPOや地域など、人が集まる場づくりが盛んです。

イベントをすれば人は集まってくるものの、その分だけ運営チームが消耗するという問題が必ず起きます。

参加者が運営側になってくれればいいのですが、それもなかなかうまくいかない。

私たちが20年続けるコモンビートは、サポートしたい仲間が集まり続ける、そんな嬉しい悲鳴を持つ団体です。

人が集まり続ける組織

コモンビートという団体を2003年につくって、今年で20年になります。

NPO法人コモンビート|コモンビートは、表現活動によって自分らしく・たくましい個人を増やし、多様な価値観を認め合える社会の実現を目指すNPO法人です
🔰 はじめての方へ! コモビジョン Push! 100人100日ミュージカル、九州・東京でキャスト募集中! Musical やりたい気持ちが参加資格!「違い」を育てるプログラム! バックグラウンドの異なる多様なキャストで ...

社会人や学生100人が集まり、100日でミュージカルをつくって、3回公演4で500人くらいの有料公演のステージを上演するというプログラムです。
複数回参加する人もいますが、ほとんどは初参加。ひとりで参加を申し込み、そして100人のかけがえのない仲間と出会えます。
これまでにおよそ7000人が参加し循環しています。

1プログラムあたりの公演は、およそ4500人(最大6000人という時もあった)ほどの方が来場します。
その会場の運営はとっても大変なのですが、全国からなんと毎回200人もの仲間が集まってくれます。もちろんボランティアで。(コモンビートではボランティアという言葉を使わないですが、わかりやすく表現しています。)
それが積み重なり、これまで22万人もの人に見ていただくことができました。

なぜこんなに、支えてくれる仲間が集まってくれるのでしょうか。

それはもちろん、これまでに参加しているみんながつくったもの。そのみんなが関わりやすい環境と組織として一緒に運営してきたのが、活動初年度から関わり設立10年目で代表となった、りょう(安達亮)です。

安達亮|note
非営利組織役員/事務局・組織プランナー/表現教育/企業研修・講演/ファシリテーター/コミュニティ設計/ブログ・情報発信/映画・海外ドラマ/スターウォーズ/ヤクルトスワローズ/キャリア相談/NPOのドラえもん/電子マネー推奨/テレワーク/違い...

りょうと一緒にいろいろと運営してきたこの場づくりのヒントを、コミュニティがもっと活性化するように、社会に活かしていきたいね〜と話をしています。

まずは最初に私から、消耗しないコミュニティ運営のヒントとなる、3つの視点にまとめたいと思います。

1.運営側が楽しそう

コモンビートの運営側は、みんな笑顔で、笑いが絶えません。
実は、参加者(キャスト)よりも、運営側が一番楽しんでいます。

運営チーム消耗問題は、きっと、運営している人たちが、大変そうに見えるのでしょう。

だから、あっち側に行きたくない…と。

・・ですよね〜

なんか大変そう、なんか辛そう、しんどそう…
そんな場所に関わろうなんて、誰も思わないはずです。

人が集まる場所は、楽しそうな場所
ただ参加しているより、運営したほうがもっと楽しそうだ!

そんな風に思ってくれる仲間がたくさんいます。
…ほんと、楽しいんですよ。運営って。

理事会も笑いの渦、現場も笑いの渦、とにかく楽しませよう/楽しみたいという人が集まってきます。
消耗するよりもチャージされるほうがずっと多い、そんな場なのです。

2.コミュニティは、数よりも多様性

コミュニティというと、数を追い求めがちです。

多いだろー
すごいだろー

みたいな。

でも、想いの薄い人たちがいくらたくさん集まっても、その同調圧力が強くなって、なかなか活性化しません。

だから、数を集めるほど、エネルギーは低くなります。

だから、数よりもいろいろな幅広い多様な人が集まった方が、楽しくて心強いのです。

自分が苦手なことは、誰かがサポートしてくれる
自分が気づかないことに、誰かが気づいてくれる

そんな風に、自分ができない部分を、誰かとチームが組めるのです。

自分が自分らしく居られる場所

そんな場所があったら、嬉しいですよね。

できないことを責められたり
できないことに負い目を感じたり
誰かと競争しなければならなかったり

そんな場所って、居心地は良くないはずです。

不完全でいい。
だからこそ、誰かと助け合える。
助け合えるのは、同じような人じゃなく、いろいろな人が集まっているからです。

やりたい気持ちが、参加資格

これがコモンビートの参加条件です。
大人向けのプログラムなので18歳以上とか書いてありますが、年齢1桁の子も参加したこともあります。(一応条件とは書きいいつつ、例外も多い。😂)
もちろん、70歳を超える方も参加しています。

運営側がコントロールしやすい参加条件をつけのはカンタンです。
運営側が強いから、参加者は従うしかありませんよね。
条件をつければつけるほど、条件の整った偏った人だけが集まってしまいます。

するとどうなるか。
スキルや感性も偏ってしまうので、助け合うことができません。

だから、バラバラ、ごちゃまぜが、最強なのです。

数だけ集まった反応の薄いコミュニティを活性化しようとすると、運営側は消耗していきます。
いろいろな人がいて、いろいろな意見があって、言いやすいコミュニティであれば、運営側がひとりぼっちになることもないのです。

3.コントロールしない

どうしても組織運営は、コントロール(統制)をしようとします。したくなります。

何か問題が起きそうだから
言うことを聞いて欲しいから
同じ思考の人があつまったほうが、話題が盛り上がりそうだから

そうですよね。
これ、全て同感です。

問題起こらないほうがいいし、言うこと聞いてくれるほうがいいし、共通認識があったほうが説明など話す時間も少なくてすみますよね。

でも、こんなコミュニティに、あなたは入りたいですか?

もちろん、キッチリ統制の取れている組織に入るほうが安心、という人もいるでしょう。

でも、どれだけコントロールしても問題は起こります。防げません。
そしてどんどんコントロールを厳しく、つまり条件や規制を強くするしか方法がなくなります。
そして人は窮屈になって、何も発することができなくなり、足跡を残さないように消えるように離れていきます。

問題は、なくなることがありません。
でもそれって、いつか起こる問題がいま目の前で起こってくれた、ということかなのかもしれません。
見えないところで起こったり、もっと大きな問題になって起こったりするより、わかって、いいじゃないですか。

そして、問題と思っているものは、「誰か」の問題。
違う誰かからすれば、問題ではないし、問題を解決すると、新しい問題が生まれるのです。

では、同じ思考の人が集まったら、問題は起こらないのか?といえば、そんなことはありません。

多くの場合、小さな違いが許せないことが多いですよね。
同じものを見ていても、生きてきた経験や知識で、解釈の物語は変わってしまうのですから。
一方で違いが大きすぎると、諦めるというか・・・まあ、自分には全然わからないのでOKじゃない?みたいなポジティブな諦めというか、相手に委ねるということも出てきます。

だから、こちらの都合の良い条件で人を集めるということには、意味がないのです。

つまり、

コントロールをしようとすると、運営側が消耗をするのです。
コントロールしようとしなければ、そもそも問題が生まれなかったり、解決が自然と行われていくことが多いのです。

消耗のほとんどは、空回りで起こる

人が消耗する時のほとんどが、空回りです。

頑張って準備したのに、誰も反応してくれない
誰にも相談できず、ひとりでやらなくちゃならない

消耗というのは、何か作業をしている時ではなく、その結果に気持ちが追いついてくれないとき、一気に激しい消耗が起こります。

人は、誰かが応えてくれたら、頑張れるのです。

頑張れるのは、誰かが反応してくれるからです。

Facebookやインスタの「いいね」も、noteの「スキ」も、どんどん押したらいいじゃないですか。
別にお金取られるわけじゃないし。😂

だって、それが頑張ろうとするエネルギーに繫がるから。

発信する人って運営側でもあるんですよね。

いつも発信している人が、
発信する人を孤独にしてしまうなら、
きっと自分も孤独になって
消耗していくんだと思うのです。

だから、みんな応援しあって、世の中から、空回りがなくなれば、きっとみんな、消耗していくことはなくなるんじゃないかと思っています。

たくさんのコミュニティが、少しでも長く続くよう、応援してます!