場づくりをしたい人のための「場」の考え方

アントレプレナーシップ

「場」をつくる とは?

場づくりとは何でしょうか?

場といっても、見えるようで見えない…そんな感じですよね。

場とは。
ひとことでいえば、つながり

そのつながりには、見えるものや見えないもの、雰囲気や文化、温かさなどが感じられたりします。

何となく居心地が良いとか
気持ちが良いとか
自分らしく居られるとか

場とは、関係性やつながりを感じられる感覚といえるかもしれません。

場と場所の違い

では、どこからどこまでが、「場」なのでしょうか。

つながりは見えません。
感覚も見えません。
なかなか、捉えづらいですね。

見えないからこそ、運営している人は見たい。
だからできるだけ見えるようにしてしまいます。

線の内側は仲間、外側は他人
お金を払うとネットワーク、お金を払わない人はその外側

いろいろな形で見てわかるようにしようとします。
きっとこれは、場の話ではなく、場所のことです。

場所

あなたの場所は、そこ。
その人が居ていい場所が特定されます。

建物、土地、会員、資格など、何かの条件がハッキリしていて、何かしら区別をしなくてはならないものです。

関係性というのは、厳密に分類などに分けることができません。
どんどん変わっていきますしね。

ですから、場と場所(区別)を混同しないことが大切です。

よく、コワーキングスペースなどに人が集まらないという問題があります。

ちょっと入るのにさえ手続きが大変で、
なにかといえばお金の話になって、
2時間で追い出される・・・

つながりを作りたい、という感じが全くないんですよね。
わかりますよ、お金を払って欲しいんですよね・・・
ここはただのレンタルスペースか・・・仕方ない。

条件が先か、場づくりが先か・・・
場づくりができれば、人は勝手に集まるはずです。

境界線を曖昧にすることの必要性

場は関係性なので、分類ができない。
ですから、境界線もなかなか難しいものです。
でも何となく引きたくなる・・・

誰も入ってこないように、境界線というか柵がある

でも、場づくりの基本は、境界線を曖昧にしておくこと。

境界線の内側にいるのか、外側にいるのか、また線の上にいるのか・・・

それを厳密に問うことをすると、居心地が悪くなります。

内側にいる人も、時々は外側に行きたくなったりするものです。
なにか事情があって、外側に行かなくてはならないこともあります。
また、外側の人も、時々中に入って覗いてみたり、なぜか知らない間に内側に居た、なんてこともあります。

境界線がないから、こんなことができるのです。
一方で、境界線がハッキリしすぎていると、意識しすぎてしまいます。

あの人はどっちの人なのか?
私はいまどっちにいるのか?

そういった論理的な考えで動くと、どうしても損得や条件といったものに引っ張られがちです。

そうではなく、感情のままに、どこにいるかわからない状態でいれば、気づいた時に居たところが、今の立ち位置なのです。

夢中になっていたら運営側になっていたとか、ちょっと家庭のことがあるので離れがちになったとか、ハッキリさせたくなる気持ちをおさえて、付き合っていくことが大切ですね。

それぞれの距離感

場の出入りが自由であることが、心理的負担を低くします。

それぞれに、居心地のよい距離感と場

人にはそれぞれに、感情があって、都合があって、なんとなくいろいろなこととの距離感を測っています。

そしてそれぞれにタイミングがあるので、またの機会にぜひ!で良いのです。

だからこそ、場とそれ以外の差をつけずに、できるだけ気軽に、そして何回でも集まれる感じが大切です。

つながりというのは、目に見えなくても繫がっています。
条件や回数でもないし、会わなくても繫がっているものです。
お互いがそう思っているだけでいい。
ある意味で思い続けられれば、繫がっていると思えます。

繫がっているという安心感があれば、気負いも必要ありません。
また会ったときに、「久しぶり!」と言えるのです。

場づくりは、単に放っておけば、勝手に繫がるものでもありません。
やはりいろいろな工夫は必要になりますが、場についての基本的な捉え方を間違えると、どんなことをしてもうまくいきません。

 

ぜひ、みなさんが日頃から接しているコミュニティ、組織、スペースなどの「場」を眺めてみて、参考にしてください。