経営は音楽のセッションと同じ ~音楽から得られる感性、音楽を使う感性、感性を身につける段取り

経営は音楽のセッションと同じ アントレプレナーシップ

感性を養うためには何をすれば良いの?

 

感性を養う、育てるためには、「音楽や美術などの芸術活動が良い」ということがよく言われます。

 

たしかにそうかもしれませんが、感性の高さを数字で測ることはできませんので、感性が育ったのかどうかを実感することはとても難しいですよね。

 

たとえば、

 

ピアノが上手に弾けた

 

というのは、感性が高まったからでしょうか?

 

そうかもしれませんが、それだけではありません。

 

指を動かす練習をしたから

 

ともいえます。

 

特にクラシック系のピアノ練習は、感性の発達とピアノが上手になることとは、イコールではないと思います。

 

感性が高まったから、ピアノが上手になったというより、

ピアノが上手になるくらいたくさん音を聞いた結果、感性が高まることがある

 

という感じだと思います。

 

感性は、技術の上手/下手で測れるようなものではない、と私は考えます。

 

経営は音楽のセッションと同じ

 

 

私は、3歳からピアノを始めました。

 

そのせいか、世の中のすべての音に、音階がつけられます。

 

机を叩いても、「ソ」とか「レ」とか、音程がわかります。

 

いわゆる絶対音感です。

 

 

これが身についているだけで、感性が高いと言われますが、これは間違いです。

 

音を認識する力が高いだけで、感性が高いこととは別です。

 

音だけなら、ピアノの調律師の人は全員が感性が高いことになりますが、そうでもないと思います。

 

 

 

私はピアノがとても好きです。

 

特に、ピアノのが好きなのです。

 

だから、ピアノの音を聞いているだけで、幸せな気持ちになれます。

 

ピアノの演奏はさほど上手ではありません。

 

私が好きなのは、

 

ピアノの鍵盤が弦に触れて音が鳴る瞬間、
その音が広がる瞬間、
それらの音が混じり合った時の音の共鳴・・・

 

それを考えるだけで、脳が少し別の動きをしているのがわかります。

 

だから、ピアノの前で、ダラダラと音を聞いているだけで、脳が開放されます。

 

そこには、

 

絵でも表せなく、言語や感情でもあわらし切れない世界

 

が広がっています。

 

 

また、何か描きたいコト・・・絵でも言葉でも表せない世界・・・を音で表すこともできます。

 

音にした瞬間に、その音に反応して、また世界が少し影響を受け変化していきます。

 

私はそうやって曲を作っていました。

 

 

実はこのような、

音楽を聴いて何かを描くことや、

描いたことを音楽にするようなことは、

生活でもビジネスでも、私たちが日々やっていることとよく似ています。

 

 

すべての考えは、忠実に言語化することなど、できません。

 

そして、言語化されると、その言語によって人それぞれの感性が、それぞれの想像を生みます。

 

ですから、すべての物事には絶対的なことは存在しないのです。

 

 

私は、会社経営をいくつもやってきている中で、ある投資家の人が、

 

中島君にとって会社の経営って、どんなもの?

 

という質問をしてきました。

 

私は、

 

音楽を作っている時と同じ

 

と答えました。

 

 

 

あらゆる個性の人が集まり、

それぞれの特性を活かし、

存在を発揮しながら、それぞれのパート(楽器)を受け持つ。

 

ドラム、ベース、ギター、キーボード、ボーカル

 

最高の音楽を奏でようとライブをするなら、全力で魂込めてならない。

お互いに依存しあい、存在をリスペクトしあえなければ、セッションは成り立たない。

 

あらゆる音が鳴り続け、響き合う空間。

音の共鳴はそれぞれの音の個性が発揮されてこそ、全体の音の共鳴が生まれる。

テンポや揺らぎといったリズムの流れも、1人で生み出せるものではない。

 

音楽に乗ってくれるオーディエンス、音響や照明、舞台をささえる全ての人、
季節や気候で音が変わり、電気を使って表現し、空気の振動が耳に伝える。

 

舞台の上の人だけでも成り立たない。

 

始まりがあって、テンポやリズムがあり、抑揚があり、節目があって、最後は演奏が終わる。

 

仕事のプロジェクトも経営も、すべてはこんなものだと思うのです。

 

音楽のセッションと、何も変わらない。

 

むしろ、音楽じゃなくても、きっとスポーツでも同じような表現はできるはずだと思うのです。

 

すべては感性で繋がれるっていうか、、、、

それがなくなったり、できなくなったら、僕は社長やめますね。

 

 

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私がこんな風に答えると、その投資家の人は満面の笑みを浮かべて、

 

 

キミは面白いね、自分の感性を信じてがんばってね

 

 

と言ってくれた。

 

 

僕がピアノをやっていたことで得ていたことと、

会社経営で使っていた感覚が

感性で一致した瞬間だった。

 

 

その後、