多数決に頼らない決め方

アントレプレナーシップ

まもなく、選挙ですね。
これまでに票を入れた人が当選したことがほとんどありません。
それでも私はもちろん選挙に行きますし、可能性を信じています。
ただ、多数決というのは、あまり幸せを生まないシステムだなぁと、つくづく思います。

できるだけ多数決で決めないことを心がけると、いろいろと新しいことが見えてきます。

多い方で決まる、と教えられる

僕たちは学校で、数が多い方が有利だと教えられます。

「賛成の人、手を挙げてください。」

ほとんどの場合、そのひと言で決まってしまいます。

数が多い方が強い。
集団の中にいる方が強い。

そんなふうに教えられて育ってきます。

1人だけ違う考えを持っていても、声はなかなか届きません。
もし主張するなら、99人を相手に、1人で立ち向かわなければなりません。

しかも賛成多数の場合、反対の人の意見も聞かれることがありません。

小さな声は、いつも数えられることさえありません。

大切な1人の意見

あるとき、暑いので窓を開けたいという要望が出ました。

でも多くの人にとっては、暑くないので、開けるのを反対しました。

多数決をとっても、数人を残して反対しています。

それで、開けないことに決まった・・・というのが普通です。

開けたい人に「なぜ開けたいのか」と聞きます。

私の席にはエアコンが当たりません。そして日も当たるので暑いのです。

その結果、彼は窓を開けたいという要望になったのです。

なんだ、そういうことなら、席を変われば良い、ということになり、窓を開ける必要はなくなりました。

よくある話ですね。

当事者の話を聞かないままに進むことが、よくあります。

これは単純な話ですが、もう少し複雑でわかりづらいこともあります。
なかなか言いづらい理由があったりもします。

その理由を聞けば、「自分も同じ状況だったらそう言うだろう」と感じ、みんなで改善策を考える、ということだって生まれるのです。

多数決に頼らない決め方

私たちには、思い込みがあります。

同調圧力が生まれるのも、そうした思い込みです。

違う意見を言いにくいと思い込んでいるし、違う意見を求められていないと思い込んでいます。

たぶんこの思い込みを無くすことで、すべての意見がフラットに感じるはずです。

賛成がいれば、反対がいて
同じがあれば、違いもあって
安心の代わりに、不安がある

正解がどちらか一方ということもないし、少しの知識や情報でも大きく変わることも多くあります。

そのためには、ジャッジをする前にやれることがたくさんあります。

まずやるべきことは、できるだけ意見や情報を共有することです。
まずは知ることが大切ですね。知らないのに決められません。

次に、それぞれに決めた場合の、良い点と悪い点を洗い出すことです。
どちらに決まったとしても、それぞれの立場を理解するためです。

そして決める場合、決定した時の期間を区切ることです。
とりあえずまずやってみよう、でも、仮決定だからね、ということです。
考えていることと、やってみることは違います。
共通の経験を経たうえで決めることは、とても大切なことです。

結果的にそれが多数決になることがあるかもしれません。
でも、このプロセスがあるのとないのでは異なります。

仮に自分の意見が採用されなかったとしても、相手が自分の状況を理解しているということはとても大きいのです。
自分の意見や状態が伝わっているということが、何より大切なのです。

つながりは、大切です。

何事も、分けることが必要な場合があります。
でもその前に、一度つながりをつくれば、ある部分でお互いに繫がった状態で、それぞれの立場に分かれることができるのです。

きっと、分けることは、何度でも起こるでしょう。
だからこそ、次に分ける時には、多数決を回避できるようなやり方に少し近づくはずです。

そうやって、できるだけ多数決を無くしていくことが、みんなが幸せになる一歩ではないかと思うのです。