どんなご職業をされているんですか?
私にとって、最も答えが難しい質問の1つです。
私) ・・・えっと、起業家です。
相手) 起業家ってことは、社長ですか?
私) いや、そうではないんですが・・・
なかなか答えに苦戦します。
私) 事業をつくる仕事です。いろいろな起業家のお手伝いをしながら。
相手) では、経営コンサルタントなんですね。
私) いや、経営コンサルタントでは・・・・まあ、一般的にはそんな呼び名の一つかもしれませんね。
そろそろ会話を終了したくなりますが、興味を持って頂いているので、何とか答えようとがんばります。
私は原則、経営者という立場に身を置くようにしています。
経営者は、取締役であったり理事であったり、いろいろな肩書きがありますが、
会社がすべきことを、うまく進める仕事
という表現しかできません。
「私は財務担当役員だから販売のことは関係ない」なんて、サラリーマンのようなことは言えません。
会社の組織上、誰にも役割が振れないものは、すべて、経営者がするしかないのです。
会社や事業にはいろいろなステージ(段階)があります。
会社の登記もすれば、サーバーの設定もします。
HPやデータベースの構築もすれば、掃除もします。
人事制度や規定などが必要な段階もありますし、電話を引くということが最もプライオリティの高い時もあります。
投資家や金融機関に資金調達もすれば、自ら融資や増資の引き受けもします。
すべて、
その時々に応じて必要なことをする
それだけのことなのです。
むしろ、
これだけやってくれればいい
この肩書き以外のことはしないでくれ
という仕事は引き受けません。
しかもそれが、いくつもの組織や会社、業種や規模を問わず関わっているので、不思議がられます。
私にとっては、産業分類や業界すら意味がなく、すべて、、
事業を成功させるための、共同経営者
でしかないのです。
しいて職種でいえば、プロデューサー業でしょうか。
人やコトの中間に入って、目的を引き受ける役割を担う仕事
そういう、名前のない仕事が必要とされる仕事です。
ですから、プロデューサーは、仕事を問いません。
なので、事業開発でプロデューサーを引き受けても、事業が潰れそうなら会社や事業を売却するためのM&A担当としてのプロデューサーにもなることもあるのです。
肩書きとは、いったい何でしょうか。
分類され標準化された職業というのは、これからの時代、どこまでその範囲での業務が許されるのでしょうか。
すべての領域を越えて、価値を作っていく役割こそが、これからの時代の職業や肩書きともいえます。
肩書きをもらうと、人からそれなりに見られて、気持ちが良いかもしれません。
でも肩書きなんて、ただのラベル。
むしろないほうが、何でもできるようにも思えます。
誰とも比較にならない、
肩書きの付けられない職業、
名前のない仕事
これからの時代のキーワードではないかと思います。
子どもたちが就職する頃には、職業採用ではなく、総合職・プロデューサー採用しかない時代になるかもしれません。