感性を楽しみながら、魚を食べる ~子どもの感性を育てる、暮らしの視点

感性を楽しみながら、魚を食べる ~子どもの感性を育てる、暮らしの視点 子育て

ある日、晩ご飯で魚を食べた日のこと。

(子) これ、なんの魚?

(親) なんだろうね~、何だと思う?

(子) アジ。

(親)​​​​​​​ ブ・ブ-・・・

(子) じゃあ、なに?

(親)​​​​​​​ はるくんだったら、何て名前をつける?

(子) ◎△$♪×¥●&%#?!

(親)​​​​​​​ うーん、何て言ってるのかわからんけど、それって何でそうつけたの?

(子) 持って、武器にできるんじゃない~

(親)​​​​​​​ そうだねー、投げたら刺さりそう。

(子) 刀みたいで戦いができる

(親)​​​​​​​ おお、いい視点だねー

(子) 切れそう

(親)​​​​​​​ そう、この魚は、秋の刀の魚と書いて、サンマっていうんだよ。

(子) あー、サンマか-

(親)​​​​​​​ 刀みたいな形だから、昔の人はサンマってつけたんだって

(子) へー、戦えると思ったんだね。

(親)​​​​​​​ きっと同じように、見た目の形から名前をつけたんだね。

(子) これ、どうやって食べるの?

(親)​​​​​​​ これはまず、皮を取るんだよ。

(子) どこから?

(親)​​​​​​​ とりあえず、どこから皮が取れそうか、やってみたら?

(ベリベリ・・・・)

(子) 頭の部分は取れないんだね。

(親)​​​​​​​ そうだねー、魚の頭ってツルツルだねー。

(子) なんでここだけツルツルなの?

(親)​​​​​​​ 本当はこの皮もツルツルだったんじゃないかな。

魚にはウロコがあって、この皮にもうろこがついてたんだけど、取れちゃったかな。

(子) ウロコって何?

(親)​​​​​​​ そうだなぁ~、鎧(よろい)みたいなもの。服みたいな感じかな。

(子) 魚が服着てるわけじゃいでしょー

(親)​​​​​​​ でも、服みたいなウロコが、身体を守っているんだよ。

(子) この魚のどこの部分が美味しいの?

(親)​​​​​​​ そうだなぁ、好き好きだね。はるくんはどんなところがいいの?

(子) 骨のないところ。

骨は全部あるからなぁ~小さいか大きいかの違いだけで。

(そして骨を観察する・・・)

(親)​​​​​​​ はるくんの身体にもこんな骨あるんだよ。

(子) お腹の部分は、面白い形してるね。

(親)​​​​​​​ ここの骨、お腹を守っているんだよ。

(子) 曲がってるね。

(親)​​​​​​​ そうそう、はるくんのお腹の骨も、こんな風に曲がっているんだよ。

(子) 守っているんだね。

(親)​​​​​​​ そうそう、包まれているんだよ。

(子) この魚の筋肉はどこにあるの?

(親)​​​​​​​ どこだと思う?

(子) うーん、、、、このへん。

(親)​​​​​​​ ピンポーン、正解は~・・・・全部でした~!

(子) 全部筋肉?

(親)​​​​​​​ そうそう、だいたいは筋肉。

はるくんもね。

(子) へー、どこの筋肉が強いの?

(親)​​​​​​​ さて、どこでしょう~

(子) うーん、このヘン。

(親)​​​​​​​ ピンポーン!なんでそう思ったの?

(子) だって、魚はクネクネして泳ぐから。

(親)​​​​​​​ 正解~、クネクネするのに、筋肉必要だからね。

(子) でもどうしてクネクネできるのかな~

(親)​​​​​​​ ねぇ、不思議だねぇ~、どうしてだと思う?

(子) ここに骨があるけど、これが動くのかなぁ。

(親)​​​​​​​ ちょっとやってみようか。

(食べて骨だけ取り出して動かしてみる)

(子) へー、骨が泳いでる~

(親)​​​​​​​ はるくんの骨も、こんな風に動いているんね、きっとね~

(子) じゃあ、水に入れたら泳ぐんじゃない?

(親)​​​​​​​ じゃあ、入れてみる?

(子) うん!

(沈む・・・)

(親)​​​​​​​ 泳がなかったねぇ~

(子) 生きてないもん

(親)​​​​​​​ そう、もう生きてないからねぇ、はるくんが食べちゃったし。

(子) いつ死んだの?

(親) いつだろうねぇ~

魚釣った時は生きてたんだろうけどね。

こんな会話を永遠としながら、夕方からみんな一緒にご飯を食べています。

説教臭くなく、

勉強チックにしなくても、

親が期待するような正解を言わなくても、

やっても無駄だと思うこともあるけれど、

自分で考えて

想像して

それなりの答えを出して

関係性を見つけていくこと</ p>

それが、

感性を養うことだと考えています。

感性を通じて得たことは、答えを理解することではなく、

感覚で得て、感覚を生み出すこと。

感性で話せば、

子どもだけじゃなく、大人も感性が育ちます。

感性は、

無限の想像力と可能性を生み出せるブラックボックス

です。

これが将来どう活きるのか?

あなたならどうイメージしますか?

きっとあなたの感性が、その可能性の広がりを描いてくれるでしょう。