4.金利と資産運用のはなし ~住宅ローンの繰り上げ返済をしない5つの理由

数千万円を低金利で貸してくれるのは住宅だけ

住宅ローンで、2%の金利で4000万円を借金しているとします。

普通の職業をしていたら、住宅ローン以外の目的で4000万円を貸してくれることはほとんどないでしょう。

それに、この低金利の時代に、お金を借りられるというのは、利子(利息)が低くなるのでとても良いことです。

たとえば、住宅ローンではなく、単に4000万円を2%の金利で借りられたら、あなたは何をしますか?

私なら、4000万円で2%以上の資産運用をして返済すると思います。
(年間80万円の利益を出すということ)

よほどの失敗をしなければ、5%程度の運用はできるはずです。
(年間200万円の利益を出すということ)

株や為替を活用すれば、10~20%での運用が可能かもしれません。

たとえば株でも、「景気が上向く・株価は上がる」と思えば、日経平均だけに賭けてみてもいいでしょう。

年初が15,912円、現在が17,000くらいですから、約6%の上昇。

つまり、年初に4000万円で日経平均と連動するような資産運用をすれば、5%の運用はできるということです。

下がると思えば、逆に賭けるような資産運用もできます。

繰り上げ返済をするお金で資産運用をする

お金を借りることができ、繰り上げ返済をせず、そのお金を資産運用に充てるとどうでしょうか。

もしどうしても減らしたいのであれば、返済できるだけのお金を貯めて全額返済すればいいでしょう。

たとえば、1000万円まで何とか貯めたとします。それを5%の運用をすると年間50万円になります。

たとえば月々3万円の住宅ローン金利(利息)が年間で36万円。

1000万円を返済しても金利2%分の利息が減るだけなので9万円くらい。

ですが資産運用をして返済したとしたら、14万円の利益が出ます。

しかも、繰り上げ返済をすると見えない借金は1000万円減りますが、利息を払わなかった分の現金9万円だけが残ります。

繰り上げ返済をしなければ、資産運用の1000万円と、運用益の50万円が残ります。

翌年は、この1050万円に加えて更に返済するお金を積み立てて、たとえば1500万円で運用できたとしたら、

5%で75万円が残ります。

正直、頭金さえも要りません。

そのお金があったら運用したほうが賢いでしょう。

資産運用というのは私たちも使う防衛策

資産という言葉を使うほど資産がない、と思っているかもしれませんが、たとえ1円でも資産は資産です。

資産に大小などありませんし、謙遜しているのは外向きだけにして、自身の持っている大なり小なりの資産を守り増やしていく「運用」をしていく必要があります。

運用というと大ごとのようですが、それぞれが本当にどのような内容で契約をしていて、外部環境がどうなっているかということをみるような、マクロとミクロの両方の視点を持って選択することです。

たとえば、世界の資産運用者たちは、低金利の国でお金を借り、高金利の国でお金を貸して運用をしています。

これだけを聞けば、そんな運用できるお金を持っていないと思うかもしれませんが、一般の人でも債権を買うことも簡単にできます。

お金を借りているだけでなく貸す側の立場になって考えてみることで、全体のバランスをみることができるかもしれません。

ですので、目先の金利だけに囚われず、金利と運用の差益を考えてみるのもいいと思います。

「低金利の時代、現金を運用したほうが効率が良い」

→ 5.しくみを最大限利用する

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