共感起業大全の著者が、SDGs時代の新しい共感起業について解説します。
Will Can Needは最もベーシックなビジネスの整理方法
Will Can Needは、起業をする段階において、最もベーシックでパワフルなツールです。
Willは、想い。
Canは、できること。
Needは、要望。
一般的には、自分の想いと、自分ができることと、市場からの要望が重なったところが、あなたのビジネスになる。という使い方になります。
とってもシンプルでわかりやすい。
私も長年これを使ってきました。
でも実は、少し違和感がずっとあり、それが年々強くなってきました。どうしても、独りよがりで一方的な感じがしてならなかったのです。
SDGs時代の Will Can Need
違和感を覚えてからこの何年間か、このWill Can Needをバージョンアップしたいと思い考えてきました。
そして、今回の共感起業大全では、自分がイメージしている新しいWill Can Needを生み出すことができました。
それぞれのWill Can Needを、内側と外側の2点から考えることによって、SDGs時代における新しいWill Can Needの考え方を整理しました。
(共感起業大全 第3章:共感を生む起業の準備 自分らしいビジネスアイデアを考える「起業の自己分析」p.201参照)
Will 〜 自分の意志だけ、ではない
共感起業大全では、自分の想いはみんなの想いという前提があります。
社会に取り残された価値観の代弁者であり、自分がその声の代表であるということです。
そこから考えるとWillは、自分だけではない、つまりみんなのWillでもあるのです。
共感起業大全でのWillは、自分の想いと、みんなの想いと、それぞれ内側からと外側からの整理をしています。
こうすることで、Willが独りよがりにならずに済みます。
ビジネスで誰かを幸せにするのですから、みんなの想いを乗せていくことが大切です。
(共感起業大全 第3章:共感を生む起業の準備 あなたの意志(W i l l )p.204参照)
Needs 〜 顧客の解決だけ、ではない
Willの次はCanになりそうなものですが、私はNeedsから解説をしています。
Needsというと、顧客からの要望とされます。
つまりビジネスは、顧客の要望を解決するものであるということです。
しかし、顧客が求めるものだけを解決していった結果、社会に課題が溢れてしまったわけです。
もうひとつのNeeds。それは社会からの要望です。
私たちは顧客だけではなく、社会からの要望にも答えなくてはなりません。
いくら顧客が求めようが、社会の要望を見過ごすわけにはいかないのです。
早くて、便利で、安い・・・を追求していった結果、社会課題が生まれてしまったのです。
顧客の要望に答えることだけが、ビジネスの目的ではなくなったのです。
Can 〜 自分ができることを、手軽にやってはいけない
そして最後に、Can。
普通は、「できることから始めよう」ということで起業の背中が押されます。
でも私がたくさんの支援をする中で、自分がすぐに思いつく「できる」ことを始めて、ビジネスがスケール(拡大)しないケースをたくさん見てきました。
料理ができるから、料理を作るとか、
商品を作れるから先に作ってしまうとか、
とにかく、自分が考えついてできる目先のことをやっても、ビジネスとして成長したり継続する結果には結びつきにくいのです
支援者が「やれることからはじめよう」と、とにかく背中を押すというのは、ちょっと無責任な気もします。
ですから、自分が思いつくやれることではなく、自分がまだ気づいていないやれることを探すのです。
(共感起業大全 第3章:共感を生む起業の準備 あなたの強み、スキル(C a n )p.214参照)
自分が「本当にやりたいこと/できること/求められていること」を見つける
3つの視点を内と外から見ることで、「本当にやりたいこと/できること/求められていること」が見つかるでしょう。
共感起業は、利己的ではなく利他的なも考えていくことで、結果的に自分に良い形で返ってきます。
書籍では具体的な例などを元に詳しく書いていますので、是非お手に取っていただけたらと思います。
起業家を支援するみなさんにも見て欲しい
起業家にとって、支援者はとても頼れる存在です。
起業コーチ、起業カウンセリング、伴走支援、ハンズオン支援、メンター制度、創業支援、開業支援、コンサルティングなど、いろいろな支援方法で携わっていらっしゃるかと思います。
Will Can Needという、当たり前すぎるようなこのツールも、共感起業のWill Can Needでの方法を、活用していただけると嬉しいです。
また、一般向けに加え支援者向けのセミナーも行っていますので、ぜひ一緒に共感起業を広げていきましょう。