花はすぐに咲かない、実はすぐに実らない 〜ご褒美に潜む副作用に注意。肥料の与えすぎは植物を枯らす

ご褒美の与えすぎに注意 アントレプレナーシップ

成果を早く見たい、”はやる”気持ち

成果を、花や実と例えるなら、

 

早く見たい、早く得たい

 

そう思うのは、正直な気持ちです。

 

 

でも、

今日撒いた種は、

今日植えた苗は、

すぐに、花を咲かせることができません。

 

そして、

花が咲かなければ、実も付きません。

 

「早く咲け!」

 

そう急かしても、花が咲くにはそれなりの準備が必要なのです。

あなたは咲く方法を知っているかもしれません。

気が、焦る

気が、はやる

気を、もむ

もどかしくなる

 

いろいろな感情が出ることでしょう。

 

でもその種には、その苗には、

まだ、花を咲かせた経験がないのです。

 

 

 

 

肥料をあげても成長しない理由

 

じゃあ、肥料をたくさん摂れるようにしよう

 

そう思いつき、茎や根に近い場所に肥料を蒔いたら、どうなるのでしょうか。

 

うまくいけば、、、育つこともあるでしょう。

 

でも、

 

根は、深く遠くまで広がらなくとも、

手に届く場所に肥料があるので、

根が生長(長く伸びようとすること)をさぼるのです。

 

根を長く伸ばす必要がないからです。

 

しかし、

 

少し遠くに肥料を置けば、

その肥料を吸収しようと、

遠くまで根を伸ばすのです。

 

根が、まるで、

 

嗅覚や触覚を持っているように、

土の中をさぐって、

栄養を取ろうと、根が伸びるのです。

 

・・・すごく、神秘的ですよね。

 

では、大量の肥料を置くとどうなるのでしょうか。

 

少しづつあげるのは面倒だし、

どかん!と置けば、

どかん!と成長するんじゃない!?

 

こんな肥料の与え方をしてしまうこともあります。

 

肥料焼け

 

農業では、肥料焼けという現象がありますが、

肥料で根が腐ってしまうことをいいます。

 

特に化学肥料はその効果が強すぎて、

根が耐えられなくなるのです。

 

植物にとっては、

肥料がメインディッシュではなく、

水と太陽がメインで、

そのオカズとして肥料がある

 

のです。

すべてのバランスが重要で、肥料があれば育つわけではない、ということです。

 

もちろん、肥料が多く必要な野菜もあれば、太陽に弱い植物、水を苦手とする植物もありますが、いずれにしても肥料はメインではないのです。

ご褒美の、副作用

 

植物と肥料の関係

これは、人にもそのまま当てはまりませんか?

 

ご褒美が近くに起きすぎると、

努力しようと思わなくなり、成長が止まるかもしれません。

 

ご褒美をたくさん与えすぎても、

ご褒美が目当てになり、

ご褒美がないと何もしなくなることがあるかもしれません。

 

ご褒美の、副作用がでてしまいます。

 

ご褒美の与えすぎに注意

 

私たち大人でさえ、ご褒美ばかりに意識が行くと怠けてしまうのですから、

例えば、子どもや新入社員など、人が成長する過程においては、ご褒美はほどほどにしなくてはなりません。

 

遠くに起きすぎると見えず、

近くに起きすぎると怠ける。

 

なかなか難しい距離感ですね。

でも、

 

少し背伸びして、
頑張れる距離を見極めていく

 

ということも、私たち大人や親、先輩ができることなのだと思います。

 

それぞれの人に、それぞれのペースがあります。

 

焦る気持ちが出てしまいますし、「なんでそんなことができないの?」と思うことも多々あるでしょう。

 

でも、私たちも昔は子どもであり、素人であり、新人であったように、誰もができなかったのです。

 

できないことを責めても、成長する意欲を失うだけです。

見える苗の成長、見えない根の生長

 

花は、すぐ咲きません。

実は、すぐにつきません。

 

見える苗の成果よりも、見えない根の生長が大切なのです。

 

いつかきっと、とっても美しい花が咲き、実がなるはずです。

 

人の成長は、子育てであっても部下育成であっても、どんなステージの人であっても同じです。

また自分自身の成長も、すぐには結果が出ません。

 

植物の成長と、私たちの成長。

こうして見ると、何も変わりがないのです。

 

言葉が通じるがゆえに、焦ってしまいますが、

通じない植物だと思えば、任せるより仕方がないのです。

 

根は掘り起こして、状態を見ることもできません。

ですから、見えない生長に意識を向け、感じ取り、成長を見守りましょう。