⑤盛り付けという「仕上げ」が食欲を左右する ~食事の段取り

段取りの技術

盛り付けという仕上げ

食事の美味しさは、味はもちろんですが、見た目もとても重要ですね。
色、形、数など、盛り付けは、料理(調理)のゴールでもありますね。
見た目でそんなに味に変わるのか?
そんな人もいるかもしれませんが、やっぱり変わると思います。
色合いの悪いもの形が不揃いなもの数のバランスが合っていないもの
もちろん料理によってはそれが普通だったり自然のことだったりしますが、
食べる人が、食べる前から意欲をそそられるような状態
を作るのも、料理をする人にとっては大切な段取りの1つです。

見るからにまずそう・・・

食べた時のギャップを楽しむのであれば別ですが、

美味しそうだから早く食べたい!


と思ってくれたほうが嬉しいですよね。

盛り付けは食事を整える料理(調理)の最終段階ではあるものの、
料理をする前に準備が整っていなければならないもの
でもあるのです。

たとえば色合い。
肉などを炒めた料理などは、どうしても茶色系になります。
そこに、緑などの色合いを加えると、やはり美味しく見えてきます。
食卓が全部茶色になっちゃった・・・なんて経験もあるかもしれません。
そんな時には、色を付けるために緑の葉などを添えると良いかもしれません。
食べるものでもいいですが、食べられないものでも良いでしょう。

料亭などでは、刺身のそばに紅葉の葉などが彩られていることもありますよね。

簡易的なものでは、スーパーで売られているお寿司も、ビニールで作られたギザギザの葉(バランというらしいです)などもあります。

これらは、主役を引き立たせる彩りの1つです。

寿司はどうしても白と赤と、卵があれば黄色が少しということになりがちなのですが、そこに緑を添えることによって赤や白が引き立つわけです。

全部の色が似ていては、メインの食べ物が美味しく見えないので、脇役として別のものを添えたわけです。
やっぱり、美味しそうに見えることは大切ですからね。

また盛り付けにとても影響してくるのは、食器ですね。
食事は、どんな器に乗せるのかによって食事のテーマすら変わってきます。
和風のお皿に乗せるのか、ガラスの器に乗せるのか・・・
たとえばカレーライスがガラスのボール状の皿に入っていたとしたら、ちょっと美味しくなさそうですよね。。。
あまり断面図は見たくないし、食べた後の状態も美しくありません。
ちょっと贅沢な料理店に行くと、とても大きな皿にちょこんと乗っていることもありますよね。
やはり、メインが引き立つように、世界観を演出しているのでしょう。

この食器もまた、料理の後で皿があったかな・・・という状態では遅いのです。

作っても乗らなかったり、人数分あるのか、とりわけの皿があるのか、箸やフォークなどの道具は揃っているのか・・・など、食べる時のことを想像して事前の確認が必要なのです。
始める前に、目的を達成しているイメージを想像することが大切です。

段取りで大切なことの1つです。

ビジネスの場面でも同じようなことがあります。
どれだけ良い仕事をしても、最後に提出した書類が不揃いだったり、プレゼンテーションがうまくなかったりすれば、伝わりません。
プレゼンをしても、格好が適切でなかったり、資料の要点がわかりづらかったりすれば、いくら良いものでも良い評価を受けることがありません。
仕上げはとても大切です。

時間のヨミというのはなかなか難しいのですが、

滑り込みセーフという状態では、意識がゆき届きません。
仕上げに時間の余裕を作るのはとても必大切ですね。

仕上げというのは演出の1つです。

おいしければいい
食べられればいい
栄養が取れればいい

というのが食事ではありません。

楽しむための時間や空間をどう演出するか

ということの1つが、食事という機会でもあるのです。

食事によって健康を維持するという目的はもちろん大切ですが、

食事がもたらす本当の目的を、最初に設定することができれば、

盛り付けという仕上げにかける意気込みやその時間の取り方

も変わってくるでしょう。

段取りのクライマックスには、心と時間に余裕を持ちましょう。