期待されないメリット、期待されるデメリット

アントレプレナーシップ

見た目に、期待できない若者

高卒、金髪、資格なし、技術なし、ミュージシャンを目指している若者

 

 

約30年前の私です。

きっと、どの時代もこんなスペックでは何の期待もされないのでしょう。

 

革ジャンを着て、アメリカンバイクに乗っている、夢見がちのミュージシャン。

(この写真は金髪ではないけれど)

 

やばいですよね。

 

そんな18歳の私も、自分の感性の赴くままにいろいろなことをして、音楽をつくる仕事などをすることに。

上京して東京で2年経った頃には、バブルが弾けて世間が大騒動している頃、私の年収1000万円は超えていた。

 

その後、いろいろあって、上場企業から投資を受けて、関連会社報告会という投資先を集めた会議を毎週赤坂で行う時も、

金髪、ロン毛、革ジャン・・・

 

いまとなっては「若気の至り」で若干恥ずかしささえ感じますが。

 

でもこれは、僕の作戦のひとつだったのです。

 

自分への期待を、あえて下げるという演出

 

特に当時、金髪の人はかなり少なく、確実に目立っていた。

 

あの、金髪の社長

 

そういえば僕だということで、東京のベンチャー界隈ではアイコン化されていた。

 

音楽ベンチャーだから、まー金髪でも仕方ないか

 

当時、僕の会社に出資をしてくれた(現在上場企業の社長になった方)も、それを根底から受け入れてくれたことも大きかった。

 

でも当時の日本のベンチャー界隈は、まだまだスーツ族がいっぱい。

IPOを目指す人は、スーツを着させられていた。

そんな中、僕を見ると、怪訝で不安そうな顔になる(きっとそうであろう)人にたくさん出会う。

 

そんな人たちも、話をしていくと、見方が変わってくる。

 

高卒なのに、ベンチャーの起業はすばらしい

若いのに、なかなか頑張っている

金髪なのに、ちゃんと礼儀正しい

 

全部「~なのに」という、上から目線での評価(笑)を頂いていた私は、加点されることが多かった。

同じ時期に、音楽CD販売をしていた今や大富豪の元通販社長の彼も、やはりどこに行ってもTシャツ。

見た目の話でいろいろ言われることとか、事業の未来に意気投合して飲んでいた記憶がある。(たしか彼も高卒)

 

あえて自分の見た目を下げていたわけではないが、下に見られることを利用していたし、演出していたのは間違いない。

未だに僕の略歴は、高卒から始まる。

 

勝手に評価される、期待と現実の差

 

期待、そして現実とのギャップを、人は勝手に評価していく。

 

期待値が低いと、何をしても加点されていく

 

逆を返せば、

 

期待値が高いと、重箱の隅をつつくように減点されていく

 

ということ。

 

正確な評価ではなく、それぞれが勝手に評価していく。

 

多くの人は、自分を良く高く見せようとしている。

でも僕は、それがその人を苦しめているのではないかとさえ、思う。

 

東大のくせに

 

未だに高卒は、学歴差別がある。

しかし、東大を卒業したからといって、安泰ではない。

これはある人が「言われて一番嫌なこと」と言って、僕に本年を吐いてくれた言葉。

もう学歴を書きたくないと言っていた。

学校を背負っているし、他の卒業生に対しても、なんだか申し訳ないと言っていた。

 

僕には、学歴や職歴とか、失うものは何もない。

学歴は、ただの足跡。

消えてなくなる、足跡。

それは評価の対象でもなんでもないのに、ブランドを背負いに卒業する。

そして、潰されそうになっている。

 

高卒には何も期待しない。

だから比較しないし、周囲は気にならない。

 

たとえ期待されなくとも、信念を持って愚直にしていくことで、必ず評価されると信じている。

 

期待されないメリット、期待しないメリット

 

私は、「人が私に期待していないこと」について、何も気にならない。

もちろん、期待をして欲しい人/伝えたいもいるが、それは、自分で努力していくしかない。

でも、とても多くの人と出会い、関係を築いていく中で、すべての人の評価を一律に上げることはできない。

 

だから、期待値はできるだけ低いほうが、ずっと長く付き合える。

私自身も、いろいろな実績をつかって「どうだー」と言わんばかりにイキがっていた時代もあった。

 

でもそれは、妬みが増えるだけだ。

 

あなたは、どうだろうか。

何か、むやみに期待値を高めていないだろうか。

期待されることは大切だが、必要以上に高まることは危険だ。

 

過去の功績や必要以上の演出で、

自分への期待値を高めることは、

その結果、期待を裏切ることにもなる。

 

有名な人を知っているとか、過去の肩書きとか、自分と現在以外のことで自分の価値を高めようとすることは、すぐに見透かされる。

 

 

そして、

自分が人に対して期待することも同じだ。

期待値が、あまり上がりすぎると、勝手にがっかりする。

(勝手に、人の評価を下げてるなんて、ねぇ。でもそれが現実)

 

だから、

あまり期待を持たないほうが、自分にとっても良い。

あえて下げる必要がないが、ニュートラルにしておくことが大切。

期待を煽っている相手(パフォーマンスや話のうまい人)には、冷静に。

 

なぜなら、相手を全部加点できるのだから。

お互い加点していくほうが、きっと長くいい関係が築けるんじゃないだろうか。