美味しい!
そう感じることは、味なので舌、つまり味覚だけだと思っていませんか?
実は、
舌で美味しいと感じる前に、私たちは美味しいと感じている
のです。
美味しそう!
きっと美味しいだろう、そう思う時に人は、「美味しそう」という予想をします。
この美味しそうの大きな比重は、見た目です。
つまり、食べてもいないのに、美味しいと感じているのです。
先日、久しぶりにピザを食べました。
見るからに、美味しそう!
ですよね。
はい、とても美味しかったです。
どうしてこのピザが美味しそうに見えるか?
それは、
以前にこのような印象のピザが美味しかったから
という体験的な情報があるからです。
たとえば、全くピザを食べたことがなければ、これが美味しそうだとは感じません。
そしてこのピザ、あらゆる素材にこだわり、地元の小麦粉を使い、チーズも野菜も自家製・・・
そんな風に聞いたら、
更に、美味しそう!
と感じますよね。
これも、視覚や聴覚などで聞く、情報が美味しさを引き立てています。
また、
食事をする空間、テーブル、皿などの食器などもまた、大きく美味しさに影響します。
人の知覚は、8割以上が視覚です。
ですから見た目の情報に私たちはとても頼っているのです。
そして、更に重要なのは、嗅覚。
ピザの生地とチーズの溶けた臭いは、たまりません!
でも、、、、、まだ、食べていませんよね。
ある調査では、
味覚の8割は嗅覚
と言われるほど、味の中に香り(臭い)が影響しているそうです。
味は臭いで食べていると言われるほどです。
様々なお菓子や飲料水などで、もっとも重要とされているのは香料。
味は砂糖や塩などでさほど変わらずとも、香料がその味の方向性を決めているそうです。
こんな風にして食べる前に、視覚や嗅覚で体内のホルモン分泌などで食べる準備をして、いざ、食べるという行為に入ります。
今度食事をする時、味覚だけでなく、嗅覚や視覚に意識を向けてみてください。
そして、
もし、違う臭いだったら?
もし、食べる場所が違う場所だったら?
見た目が美しくなかったら・・・?
などと設定を変えてみると、美味しさの感じ方、味覚も変わると思います。
私たちの五感のそのひとつひとつはとても精巧なセンサーですが、そのすべてを集結させ、そして私たちの過去の体験や知識と共に、「美味しい」という感性の表現をしているのです。
ですから、もし美味しいと感じてもらいたいのであれば、感性の集合体であることを意識した段取りがとても大切になるのです。