不可抗力は、いつも悪いことが原因にされる
不可抗力という言葉があります。
【不可抗力】〔ふかこう‐りょく〕
人間の力ではどうにもさからうことのできない力や事態。「あの事故は―だ」
法律で、外部から発生した事実で、普通に要求される注意や予防方法を講じても、損害を防止できないもの。債務不履行や不法行為の責任を免れるとされる。大辞泉より
大抵の場合、この不可抗力は悪い意味で使われます。
地震や自然災害、社会の変化や経済の変化によって影響され困る時などに不可抗力によって被害を受けたなどと表現されます。
しかしこの不可抗力は、何も自然界や経済だけで起こるものではありません。
また、この不可抗力は、予測できるものもあります。
何でもかんでも
不可抗力だったから仕方がない
と不可抗力を悪者にしますが、
実際には予測できないと言うだけで不可抗力ではない
ことも多くあります。
私たちの生活の中で、あるいは、仕事の中でこの不可抗力が必ず起こります。
ですからこの不可抗力を避けるのではなく、むしろこの不可抗力をうまく使っていくということで、不可抗力を味方につける方法を考えてみましょう。
不可抗力だったから、仕方がない
私たちの生活の中にも、
不可抗力だから仕方がない
と、自分もみんなもポジティブに諦められることがたくさんあります。 例えば、雨が降ってイベントが中止になったとします。
本当はそのイベントに行きたくなかった。
みんなもやりたくなかった。
でもいかなくてはならない。
誰か雨を降らせてくれないかなぁ。
そう思っていたら、願いが通じたのか、雨が降ってしまったと言うわけです。
誰も雨が降らせることができませんので、雨が降ったのは不可抗力です。
ですから、不可抗力によって、そのイベントは中止になったわけで。
そのイベントに行く必要がなくなりました。
雨天中止だったので、みんなが不可抗力だから仕方がないと諦めたのです。
こんなふうに、不可抗力は良いことをしてくれるときがあります。
あきらめが決断の一員として、不可抗力のせいにできるのです。
時には、良い諦めと言う決断になることもあるのです。
鶴の一声をうまく使う、不可抗力を利用した決断法
自分だけで行動してもうまく全体を動かしたり、決定させることができない
そんな時に、不可抗力は、一瞬にして全員の決断をさせることができるのです。
鶴の一声で決まるのであれば、いいタイミングで鶴を呼べば良い
例えば、仕事の現場で、いろいろみんなで考えたことも、鶴の一声で決定されることがあります。
鶴の一声とは、鶴の声はかん高いので、他の野鳥の声を圧倒してしまうというような意味から使われます。
ここで言う鶴は、上司や、専門家など、発言に影響力が大きい人のことを指します。
この鶴の一声が良いか悪いかはその時々によりますが、鶴の一声があれば決まるのですから、鶴を呼べばばよいのです。
しかし、最初から鶴がいたのでは、萎縮して意見も出ません。
ですから、しかるべき時に、鶴を呼んで、自分が思うような決断に導くことも可能なのです。
会議で堂々巡りになっている時
結論が導き出せなく悩んでいる時
複数答えがあって決定できない時
鶴の一声があったら助かるのになぁ、という時はよくあります。
そんな時、鶴には、事前に話をしておきます。
頭ごなしに何か結論を言うのではなく、う
まく前提を変えるようなことや、
決まらない時に決めてもらうような方向性を見いだしたい
こんな相談を鶴にしておきましょう。
これがないと鶴は、一言で全てがリセットしたり、どんでん返しすることがあります。
だから鶴は、悪い印象があります。
でも本当はこの鶴も、そんな事はしたくないのです。
ですからこの鶴の気持ちになって、鶴が良い効果や結果を生み出すような一言になるよう、あなたがプロデュースをすればよいのです。
私が経営者をしていると、その一言で全てが変わってしまったり、言ったことがそのまま実現されてしまうようなことに、とても違和感を感じます。
社長や管理職、上司という人はみんな、これで困っています。
「鶴の一声」と言う言葉は、とても気分の悪い表現ですが、
その鶴もうまく使ってくれたらいいのになぁ
と常々思っています。
不可抗力も、うまく使えば良いのです。
うまく使えば、不可抗力をコントロールすることができるのです。
ぜひ、良いタイミングで鶴に鳴いてもらって、不可抗力をうまく使っていきましょう。
これが、意思決定/決めるための段取りです。