段取りで最初にすること、それは人からの情報収集
段取りをする人は、様々な意見の狭間に入ります。
それぞれの意見を聞き、着地点を探す。
段取りをするときにとても大切なことの1つが、
必要な情報を、
いかに多く、
リアル(事実)なものを、
早く集められるか、
という点にあります。
問題解決であっても、プロジェクトを新しく始める時でも、どんな場合でも、まずはじめに行うことです。
この時の情報収集は、「人に聞く」ということがベースとなります。
その聞いた情報には、事実とそうでないものが混在していることがほとんどです。
そうでないもの・・・それは、想像や推測といった仮説です。
もし、仮説を事実として捉えてしまうと、目的に到達することはありえません。
いくら段取りをうまくやっても、スタート地点を間違えているわけですから、目的にたどり着くことはないのです。
人は事実と仮説を混同する生き物
人は、事実と仮説を混同して話しています。
人間の脳は、未来を思考することができるので、現在と未来を繋げて考えるようにできているのです。
それは段取りをする側にもあるですから、話す相手に問題があるわけではありません。
ですから、段取りする人は、聞いた情報を「事実」と「仮説」に分ける必要があるのです。
それは、事実ですか?
それは、推測ですか?
過去に起こり、現在起こっていることは事実ですが、少しでも時間的に未来になれば推測です。
過去から未来を推測して人は物事を話しますが、過去にあった同じような出来事が未来に起こるとは限りません。
それは、環境も状況も異なりますから、全く同じ再現となるかは誰にもわからないのです。
推測を断定する危険性
しかしこの推測であるかどうかの確認は、とても慎重に行わなくてはなりません。
その人にとって確信であることを傷つけることになるかもしれません。
また、成功体験を呼び起こしていたのであれば、自尊心を傷つけることになるかもしれません。
推測といっても、妄想のように捉えられるかもしれません。
脳の仕組みから、事実と仮説は絶妙にブレンドされてしまっているので、そこを分離させるような質問をする必要があります。
それは、原因と結果という紐付けで聞けば、すぐにわかります。
「それは、どのような理由からですか?」
「それは、今起こっている事実とどう関わっていますか?」
もしその情報が事実であれば、実際に現在で何かが起こっているはずですから、現在と紐付けられないはずがありません。
仮説(未来)のことは現在から未来に紐付けられるので、すぐにわかります。
いずれにしても、様々な角度から聞いていくうちに、事実であれば断定され、推測であれば徐々に「たぶん」「きっと」という言葉で濁されていくからです。
こうして多くの人から集めた情報を元に、事実を把握していきます。
仮説の中にも、事実がある
そして、残った仮説はどうしたらいいでしょうか?
仮説だからといって、事実の情報ではないと切り捨ててはなりません。
実は、仮説にも多くの事実が含まれているのです。
仮説の中には未来を予測しているものもあるでしょう。
また、その仮説が発生する原因も、何か問題を解決するための課題も見え隠れします。
仮説はすべて推測ですので、想像の世界です。
その想像の多くは、人の感情が生み出しています。
そのですから、
仮説から生み出されている感情は、事実なのです。
どうしてこの感情が生み出されるのか?という点に着目して情報を収集すれば、さらに多くの事実が見えてくるに違いありません。
すべての情報は、事実に繋がっています。
ぜひ事実に繋がる手がかりを見つけて、良い段取りを進められるような情報収集をしてみましょう。