⑧焦る気持ち、待つ心は、ワインやチーズを作るつもりで。熟成期間を楽しむ。~料理で理解する段取り

ワインは熟成

私たちが食べているものには、

昨日今日で生から作られたものもあれば、何日も何年もかけて作られたものもあります。
ワインチーズ納豆味噌醤油パン鰹節ヨーグルト
これ以外にも無数にありますが、、、
こういった食材などは、今つくり始めてすぐに食べられるというものではありません。
何時間かの発酵でできるもあれば、何年も熟成させるものもあります。
日本の食べ物には発酵させているものが多く、特に日本食の中心となっている大豆を中心とした発酵食品は、長い年月と共に作られます。
このことを考えると、

料理(調理)は、その場で切ったり煮たり焼いたりだけで、完結するわけではない

ということがわかります。
何年もかけて調理されてきたものを買って、それを利用させていただいているのです。
食卓で調理されるまでの長い段取りを経て、ようやくそれらが食卓に並ぶのです。

このような料理の長い段取りや短い段取りに似たものは、私たちの身の回りにも多くあります。

短い時間でできると思ったものも、実際にやってみたら長いということがわかったり

長いけれども短いものだと勘違いしてしまったり

3段だと思っていたのに30段だったりすることもあります。

段取りは目的を達成するためにあります。

もちろん時間の制限はあるものの、その時間配分や見積をどうするのかは、段取りをする人にかかっています

段取りをしていく中で、機が熟していないという場面がよくあります。
つまり、

議論がされ尽くしていなかったり、
時期尚早だったり、
気分が乗らなかったり

して、次のステップ(段)に移れない状態にあるのです。
急がば回れという言葉がありますが、どう時間を使うのかを考えなければなりません。

段取りの大切なことの一つに、順番という概念があります。
つまり、1の次が2である、クリアすれば次に進める、ということです。
しかしその条件が整っていたとしても、気持ちが追いついていなくて進めない、ということもよくあります。
特に、展開が早いものについては、なかなか心が置き去りになある傾向にあります。
少し時間が遅れて、気持ちが追いついてきます。
その時間の遅れは人それぞれですが、何か、自分の中で腹落ちするというか、納得がいくというか、自分を解釈させるタイミングがやってくるのです。
見た目の条件だけでなく、心の条件(状態)を整えるための時間は大切です。

この時間をどう捉えれば良いでしょうか?

再び、料理(調理)で考えてみましょう。

たとえばワイン
ブドウを搾ったものはブドウジュースとして飲めますが、熟成をさせることでブドウジュースがワインに変わります。
ブドウジュースとしてはいつ飲んでも良いですが、ワインとして飲みたいなら、熟成させる時間を待つ以外に方法はありません。

たとえば漬け物
漬け物が漬け物らしくなるためには、やはり時間が必要になります。
浅漬けのように簡単に味付けしても良いでしょうが、梅干しなどはそうもいきませんよね。

他にも、チーズや納豆など発酵することが前提となっている食材などは、時間が必要です。
また、カレーライスなども翌日食べた方が美味しいなんてこともありますよね。
煮物も一旦冷やすと味が浸みて美味しいなんてこともあります。

こんな風に、時間を待つことが前提と考えているものは、それを受け入れられることもあります。

再びこれを、段取りで考えてみましょう。

なかなか進まない、あるいは条件が揃ったのに進まないということがよくあります。
たとえば会議で議論が出尽くしてしまって、何を話せば良いかわからなくなり、行き詰まってしまった時などです。

これは会議でなくとも、恋人や夫婦の会話でもあるかもしれません。
このような場合に、

無理矢理結論づけたり、それを多数決で決めたりするとあとで問題が起こる

ことがよくあります。
特に、結論を急ぎたがる男性が女性に結果を迫ってどんでん返しを食らうことはよくあります。。。

気持ちを落ち着かせる時間が必要なのです。

一方で、中間を取ろうという考えも生まれます。

たとえば、ヒートアップしている人と、冷めている人の真ん中を取ろうという考えもありますが、この場合はどちらにとってもギャップがうまれます。
このギャップを埋めるためにも、やはりその場で最終決定をするのは問題です

たとえば、

仮決定をして来週までに意義がなければ結論とする

というテクニックもあります。

何はともあれ、時間が必要なのです。


時間を急げば単なる妥協ですが、時間をかければ納得に変わるかもしれません。

私はその時間を、

熟成期間

と解釈しています。

様々なものを繋げるための時間だったり、よりなめらかにブレンドしたり新しい価値や概念を生み出すためだったり
そのために、心と現状を繋げていくための作業が必要になります。

そのプロセスを急がせるわけにはいきません。
急かせれば急かすほど、結論付けから遠くなっていくことがあります。
急いで結論を出そうとすればするほど、違和感が大きくなることもあるのです。

人は冷静になると出てくるアイデアもあります。
たとえば私の場合には、
お風呂に1人で入っているとき、1人で歩いているとき、寝る直前、自分の話を一方的に話しているとき
などに、次々とアイデアが浮かんできます。
自分の中で何かを整理している中で、パズルがカチカチっとはまっていくような、点と点が線で繋がっていくような感覚があります。
たぶん食品の熟成もこのような化学変化や物質変化をおこし、新しいものを生み出したり変化したりするのでしょう。
すぐに馴染み合わないものも、時間が経てばまとまってきます。

このような時間を取る決断をするというのは、せっかちな人からすればとても無駄と思えるような時間でもあり、また、問題を先送りしているとかタイミングを逃すという意見もあります。

ですが私は、
機が熟していないものを決めても、
その場は良いが、その後の波に乗れない

と思っています。

説得ではなく納得で進まないと、歪みが生まれます。
人の段取りも自分の段取りもそうですが、焦る気持ちはあるでしょうが、熟していない実を食べて腹痛を起こすよりも、そのための時間を待ったほうが良い結果が得られることもあります。
そのような時間はとても長く感じることがありますが、
熟成している
発酵している

などと考えれば、どんどん良い方向に進んでいると捉えることができると思います。

計画には、ぜひ心の段取りに目をむけ、熟成時間を設定してみましょう。
そしてこの時間を、発酵する菌を待つように、時間を委ねてみましょう。

相手を急かすよりも、発酵しやすい環境を作って全力で委ねたほうが、より早く成熟するかもしれません。
美味しいワインを待つように、
美味しいチーズを待つように、

委ねることを楽しんでみましょう。

 

 


 


 

 

 

 

この記事はいかがでしたか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。