共感とは、自分を探求する旅

こころ/マインド

想いの強さと、温度差

自分の中に溢れそうな想いが湧いて、それを実現したいと想い起業する人がたくさんいます。

起業する瞬間に、そんな思いを持っていることもあれば、そうでない場合もあります。
個人の事業として、給料ではなく報酬で生きたいという思いから、いろいろなお仕事を引きうける、そんな独立というケースも多いと思います。

いずれにしても遅かれ早かれ、いろいろな思い触れる中で、ビジネスを通じて社会を良くしていきたいという想いは強くなっていきます。

でもその想いが強くなるほど、他人との温度差が生まれ、なかなか通じにくくなっていきます。

なんで、わかってくれないんだろう
なんで、通じないんだろう

そんなことに悩む起業家も、多いことと思います。

情報で、温度差は埋められない

温度差の正体は、何でしょうか。

ひとことでいってしまえば、当事者ではないから、わからないのです。
誰が悪いわけでもなく、心が動く要因(理由)がないのです。

もちろん起業家も当事者でないのですが、当事者の課題を共有しています。
そして、それが解決された状態に共感をしているからこそ、解決に向けて自分なりの探求をしていくことに関わり甲斐を感じているのです。

ですが、ほとんどの人は、当事者がいることも知らず、課題があることにも気づけていません。関わる理由がわかりません。

社会の課題は多岐に渡っていますし、それぞれに関心のあることや目の前のことに意識が向かっています。

仮にに課題を情報として聞いたところで、自分とのつながりを描けないので、心が動かない、響かない、つまり共感する接点が見つからないという状態にあります。

誰もが、それぞれの自分でも、同じことがいえますよね。

たとえば動物愛護、豊かな自然、子どもの健全な育成。。。すべて大切かもしれませんが、人によって関心や共感の度合いは異なります。

普段の生活やその人の価値観の中で、無くてはならないものだったり、生活に影響しそうな「緊急かつ重要なもの」にどうしても焦点が当たってしまいます。

起業家が見ている当事者には緊急であっても、全く別の空間で別の時間軸にある人にとっては、その温度差を縮めることは情報では難しいのです。

誰もが歩む、自己探求の旅

情報という事実や実態を文字や言葉にしたものに、人の心は動きづらいものです。

でもあなたは、なぜ心が動き、そして、解決したいと思ったのか。

それが大切です。
あなたの心が動いたのですから、きっと誰かの心も動いてくれるはずです。

でも、正しいからといって、人は動きません。
しかし、実際には間違っていたとしても、人は動いてしまいます。

これは、心が動くからです。

それぞれの心の奥底にある、小さな願いや希望に響き、心を動かしてアクションに結びつけるのです。

これは、琴線に触れる、という言葉でも表されます。

自分の中のどんな琴線に触れたのか、その理由を遡っていくとヒントが見つかります。

琴線は、自分のこれまでの感情体験から生まれたもの。
あるときはそれを感性と呼んだりもしますが、自分の中で感覚の基準となるもの。

時には哲学だったり、倫理だったりするような、そんな自分自身をつくっている大切なことのひとつ。

なぜ、心に響いたんだろう
そういえば、私はこんな感情を共有したかったんだ
自分とは、何者で、どこへ向かうのだろうか

共感とは、そんな自分への探求、つまり、自分の深い部分を確かめていくためのプロセスなのです。

共感というと、「いいね!」「よかった!」という感情もありますよね。
でも、私たちがビジネスを通じて描きたい社会は、もっと素敵な価値観が共有できる共感の未来です。

誰もが、自分を探求する旅をしています。
その探求を一緒にできることに、共感する喜びが生まれるのです。

私たち起業家がつくる、共感の旅。
それが、ビジネスデザインといえるのではないでしょうか。