お金が貯まるとは、お金が残ること
お金を貯めたい
お金を貯めたいが貯まらない・・・・どれだけの金額を貯めたいかは人それぞれですが、だれもが「貯めたい」とは思っているはずです。
お金を貯めるには、次の3つの方法しかありません。
1.入ってくるお金を増やす。
2.出ていくお金を減らす。
3.持っているお金でお金を増やす。
この3つのうち、3は投資などの運用になるので、それなりの知識も必要になります。
そして運用ですから必ず増えるとも限りません。
しかし、1と2については、いたってシンプルなこと。誰もができることです。
お金が貯まるということは、入ってくるお金 から 出ていくお金 を引いた残りです。
入ってくるお金 ー 出ていくお金 = お金の残り
このお金の残りがあればお金が増えますし、残りがなく持ち出さなければ、お金は減っていきます。
入ってくるお金 > 出ていくお金 → お金が増える
入ってくるお金 < 出ていくお金 → お金が減る
これは小学生でもわかる計算ですが、それでもなぜか、お金が貯まらないのです。
入ってくるお金
入ってくるお金というのは、一般的には稼ぐお金やもらうお金です。
稼ぐ以外にもいろいろと手元にお金が入ることがありますが、いずれにしても手元に入ってくるものです。
このお金は、皆がだいたい計算しています。
なぜなら、毎日働いてもまとまって入ってきますし、月給や時給といった数字で示されますので、だいたいの数字が頭に入っています。
またこの数字は、今月はもちろん、来月やその先まで、なんとなく頭で描けています。
入ってくるお金には、意識をせずとも関心が高いものです。
しかしながら、このお金を増やすとなると話は別です。
サラリーマンが月給を簡単に増やすことは容易ではありません。
残業をするか、ボーナスをもらうか、報奨金などをもらうか、昇級するか・・・・
あとは、何らかしらの週末起業をするなど、ダブルワークが必須になります。
あるいは転職なり、起業なり、職を変えるしかありません。
お金の増やし方はわかっていても、もしかしたら減るかもしれない・・・ということで、増やすのをためらっていることが多いかもしれません。
出ていくお金
出ていくお金というのは、いろいろな方法で出ていくので全体を掴むのが難しいです。
財布から出ていくもの、銀行から引き落とされるもの、天引きされるものなど、一か所から出ていくことはありません。
また、定期的に出ていく家賃などのお金は金額がわかりますが、月の食費を聞かれてもすぐに出てこないように、日々出ていくお金を把握することはなかなか困難です
最近では、ネットのカード決済は番号を入れるだけですし、電子マネーのようにICカードで「ピピッ」とお金がなくなっていくので、お金を手に使う感覚も変わってきました。
お金を支払場面も、通常の生活費以外にも、保険や税金など、普段予定しないお金などが突然やってくることもあるでしょう。
賃貸住宅の更新料や、社会保険、車検や車の保険など、1~2年に一度くらいのものは忘れがちです。
いろいろな場面で出ていくお金があり、また金額の大小も様々な中で、全体を把握しきれていないのが現状ではないでしょうか。
チリツモ感が、お金を貯める
チリツモ感とは
チリツモという言葉があります。
塵(チリ)も積も(ツモ)れば山となる
このことわざのチリツモですが、このチリツモ感が、わかるか/わからないかで、大きな差を生みます。
そんなことはわかっているよ・・・と頭でわかっていても、感覚でわかることとは違います。
チリツモ感は、入ってくるお金にも、出ていくお金にも影響します。
生涯年収が1億円(ツモ)だったとしたら、毎月の1万円は1万分の1の塵(チリ)です。
1万円(ツモ)のうちの1円(チリ)は、あまり気にも留めないでしょうが、1円の積み重ねが1万円になっているというチリツモ感を感じられる人は、1億円でも貯められます。
小さい山に分ける
たとえば1000万円を貯めたいとします。
収入を1000万円増やすか、支出を1000万円減らすかという考えになるかもしれません。
それぞれの1000万円をチリツモで実現するのは少し遠い感じがします。
しかし、収入で500万円のチリツモと、支出で500万円のチリツモがあれば、1000万円貯まるのです。
あるいは、収入で350万円のチリツモと、支出で350万円のチリツモと、運用で300万円を増やすというチリツモがあれば、更にハードルが下がります。
こうして、あらゆる場面にチリツモをちりばめていくのです。
1つの山に塵(チリ)を高く積み上げて積も(ツモ)るのは大変ですが、小さい山にいくつか分けることで、ツモまでの達成を短くするのです。
小さい箱に分ける
期間が長いものには、人は飽きてしまったりして続きません。
ですから、期間を区切るというのはとても大切です。
1ヶ月間で幾ら、という形で収入も支出も区切っていきます。
また、項目も分けます。
全体でばっくりと支出といっても、使う項目はいろいろあります。
食費、光熱費、家賃、交際費、交通費・・・などなど。
これらの項目で、削減できるものとできないものに分けます。
今月はこれ、という形で項目を絞ることも大切です。
全部をストイックに使うことを絞っても、反動で「ぱーっと飲みに行く」とかで、結局、浪費は直らないことも多くあります。
積もるものと積もらないものとを見極める
いくらチリツモでも、あまりに小さな塵(チリ)は、いつまでたっても積もりません。
つまり、ある程度の大きさのチリを積もらせなければ、いつまで経っても積もりません。
ですからそのある程度の大きさのチリを見極めることが肝心です。
たとえば、家電の待機電力を節電するよりも、早寝をして電気を使わないほうがよっぽど経済的です。
あまりに細かいところに気をまわしても、チリツモ感を味わうことはできません。
お金をコントロールする
毎日使うお金の全体をつかむために、私たちは何をすればいいでしょうか。
気が付いたらお金がなくなっていた、なんてことがあるかもしれませんが、こうした浪費生活から抜け出すことがまず第一歩です。
使ったお金を記録しよう
家計簿をつけるというと、「そんなマメなことはできないよ~」という人がいるかもしれませんが、最近はスマホも普及し、無料や低価格で簡単に管理できるものも増えています。
私の場合、最低100円以上から、すべての支出をつけています。
毎日つけなくともいいですが、必ずレシートをもらうようにしています。また、金額の端数がわからないものは、ざっくりと入れます。
とにかく小さな金額でもいいので、すべてつけるぞ!という意気込みがあれば、何とか記録はできると思います。
続けるコツは、「ざっくり、全部入れる」ということ。
日付や金額や支払先や名目などはざっくりとし、でも少額からでも全部入れるということです。
全部入れることで、チリツモ感を感じることができます。
・正確な金額を入れなければならない、と思い込まない。ざっくりでも入っているほうがいい。
・性格な日付を入れなければならない、と思い込まない。昨日のランチを今日につけたって、月で集計するのでほとんど意味がありません。
・支払先や明細なども入れなければならない、と思い込まない。日々の記録を後で見ることはほとんどありません。金額と日付のあたりを見れば、なんとなくわかったりします。
できるだけカード払いにまとめる
カード払いであれば、日々の記録はカード会社がやってくれます。
最近ではカードの使える店が増えましたよね。
私は100円でもコンビニでカードを使います。
するとどうでしょう。
カードの明細を見ると「え?こんなに使った?」と思うことがよくあります。
金額を見ると3~4桁(100~9999円)くらいのものが並んでいるのに、トータルで見ると6桁(10万円以上)になっていることもあります。
このチリツモ感がとても大切です
普段の生活で少しずつお金を使っていると、一体、いくら使ったのかわからなくなります。
毎日の1つ1つの支払が積もって、いずれは大きな金額になる・・・それを知らしめてくれるのは、カードの明細だったりします。
使うものを計算してみる
普段、お金を使っているものを計算してみましょう。
1日1本100円のジュースも、20日間飲めば2000円です。
1回200円のバスも、20日間往復すれば4000円です。
1箱400円のタバコを2日で開ければ、1か月で3000円です。
・・・こうして100円単位のものも、積み重ねるとすぐに1万円になり、年間では10万円になります
たった100円、されど100円。
計算してみると意外に金額が積み重なって大きくなります。
投資と消費に分けてみる
使うお金も、すべてが無駄ではありません。
でも、すべてが必要と言い切ることもできません。
必要なお金を投資、無駄なお金を消費(浪費)と呼ぶことができます。
ご飯を食べるのは、体への投資ですね。
おやつを食べるのは、ほとんどが消費ですね。
でもそのおやつがどうしても必要な原動力となって乗り切らなければならないピンチを脱することができれば投資かもしれません。
でもそんな投資は年に何回か程度。
ほとんどそのおやつは、体の脂肪に代わったりするなど、良い効果を得られることはあまりありません。
「いや、お菓子は、私には必要だ!」
そう思うのであれば、それでよいでしょう。
ぜひそのおやつを、何か収入や他の消費を抑えるようなものに移せるのであれば、立派な投資と呼べると思います。
単なる脂肪や病気になる原因となれば、医療費という新しい支出を生むことになるので、注意が必要です。
収支計画を立ててみる
会社のお金はどのようになっているのでしょうか。
会社では決算という形で一年の収入と支出を計算し、いくら残ったかによって税金などが計算されます。
また、新しい1年に向けては、その決算を基に、どのようにお金を使ったら儲かるのかを考え使い方を考えます。
それが収支計画です。
私たち個人はあまり収支計画を作りません。ファイナンシャルプランナーと呼ばれる人がそういったことのお手伝いをしていますが、1年単位の簡単な収支であれば、個人でも簡単に作ることができます。
月ごとにかかるお金を出し、使うお金を決めます。これを予算といいます。
予算とは、予め(あらかじめ)算出(計算)したお金と思うとわかりやすいかと思いますが、今年は毎月食費を5万円使おう、などと決めることを言います。
この決めるということがとても良いのです。
まず、毎月5万円という目安ができます。
ですから、いくら使ったのかということが気になりますから、記録欲が出ます。
そして、結果4万円だったら「1万円浮いた」という感覚になりますし、6万円だったら「使いすぎた」という感覚が生まれます
でも、「今月は歓送迎会があったから仕方がない、来月は少なくしよう」など、原因を理解することや、今後の計画を立てることができます。
そうした、使うお金への意識をつけていくことがとても大切なのです。
目安がなく、使ったお金がわからず、財布に残っているお金が現在の所有金額・・・そんなことはありませんか?
お金の貯まる節約、お金の貯まらない節約
無駄使いはやめて節約をしよう。
そんなことを思って貯金を始めますが、その節約にもコツがあります。
お金の貯まる節約と、お金の貯まらない節約があります。
厳密にいうと、節約をすれば結果的に残るお金は増えますが、節約次第では逆に出費が増えたり効果の薄いものもあります。
たとえば、照明をLEDに変更するとします。
白熱灯をLEDに変更すると効果はそれなりにありますが、それでもLEDは高いですよね。
ですから、電気代のかかる箇所だけLEDにすることがポイントです。
家じゅうをLEDにしたところで、電気代の節約でLED代を回収することができるでしょうか。
一日トータルで1時間も照明を点けないような場所であれば、ほとんど影響がありません。
逆に、リビングなどでずっと点けているところにはそれなりに効果は出るでしょう。
また日々LEDの値段は下がっています。ですから、すぐに高額で買うよりも値段が下がるまで待ったほうが良いこともあります。待っている間に下がる金額と、その間の照明の節約代を考えると、案外、割に合いません
「投資だから」といってLEDにする人がいますが、投資は回収できなければ意味がありません。
ですから、本当に回収できるところだけにしておく必要があります。
また、スイッチの入り切りを頻繁にしている場合でも、実際にはスイッチを入れた時に消費電力が高い家電というものもあります。
それに、待機電力を防ぐためにスイッチ付きの電源タップを買う人もいるでしょうが、待機電力分を節約するくらいだったら、もっと別のことで節電をしたほうが効果的です。
ランチを外食するよりも弁当を持参するほうが安上がりで健康的ですし、ジュースを買うよりも水筒を持ったほうが経済的です。
数円単位のものよりも、目に見える100円単位のものにもっと目を向けていくことで、劇的に支出を減らすことができるはずです。
お金を貯める=残すためにすること
入ってくるお金をすぐに増やすことはなかなか難しいですが、出ていくお金を減らすことはすぐにできます。
のどが渇いたからジュースを買ったり、歩けるのにバスに乗ったり、飲み会にいつも参加したり、今日はご褒美とお酒を頻繁に飲んだり、見栄でおごってみたり、暇だから雑誌を買ってみたり、課金ゲームで遊んでみたり・・・
いろいろな誘惑や欲求が、あなたにお金を使わせます。
その欲求も大切なことですが、その欲求にしたがって使ったものがどんな金額になっていくのかを知れば、あなたはそのお金の使い方を改めて考えるきっかけになるでしょう。
同じお金があるから、こう使いたい。
チリツモでもある程度まとまると、そんな風に思えてくるでしょう。
ぜひ、このチリツモ感を感じるまで、一度、ざっくりとでいいので、記録をつけることから初めてみましょう。