私たちの生活と消費
私たちは毎日、消費をしています。
その消費は、無意識に習慣化されていきがちです。
最初は意識的であっても、徐々に無意識となり、自身の時間やお金を知らない間に減らしていきます。
消費といえばお金と思いがちですが、時間も消費される1つですし、体力や気力といったものも消費される対象になります。
「消費すれば、その分を補えばいいのでは?」
体力などはそれができるでしょう。
でも時間は取り戻せません。
どんな消費が良く、どんな浪費が悪いのか?
意識と無意識に注目をして消費を考えてみたいと思います。
消費とは
消費(しょうひ、consumption)とは、欲求を満たすために財・サービス(商品)を消耗することを指す。 資源を使用することでもある。 生産の反意語。
wikiより
消費とは、欲求を満たすために消耗し、資源を使うものということです。
つまり、何らかの欲求がまず最初にあるということです。
その欲求のために資源・・・お金や時間、体力や気力といったものを使うという解釈をすれば良いでしょうか。
消費が生産の反意語とあります。つまり、+(プラズ:増加)ではなく-(マイナス:減少)という行為です。
それはつまり、最終的になくなることを意味します。
なくなる前に補えるものもありますが、補えないものもあります。
欲求を満たす行為によって、失うものがあるということです。
習慣化された無意識の消費
消費は欲求のために使うこととありましたが、簡単にいえば、欲求解消のための手段といえるのでしょう。
ある欲求が出たとき、解決できる手段の1つを知っていて、それを実施するために何かのアクションをし、それによって何かがなくなり、欲求が満たされる
という流れですね。
たとえば、「喉の渇き」でいえば、
喉が渇いた → 何か飲みたい → 飲み物を売っている店を探す → お金で飲み物を買う → 喉が潤う
ということになります。
この喉の渇きに対して反応的にこの行動を起こす人は、無意識な行動をしているといえます。
無意識な行動とは、考える前に体が反応して動く=つまり、習慣化されているということです。
この無意識さが、消費に繋がっていることイメージしてみましょう。
無意識と意識
では、喉の渇きを意識する、とはどういうことでしょうか?
その1つは、今日は暑いから喉が渇くだろうと予測することです。
無意識の場合はどうでしょうか?
何も考えずに家をでて、喉が渇いたときに初めて気づくのです。
つまり、環境を予測し、自分への影響を予測し、行動を予測するということをしていないのです。
これまでの自身の行動を振り返ってみましょう。
どんな現象で自分は行動をし、どんな消費をしてきたかを振り返ることで、これからの未来を予想し意識化できます。
意識は消費を予想できる
意識化は消費を予想できます。
予想できるとどんなメリットがあるのでしょうか。
消費が予想できる=消費をコントロールできるのです。
つまり、喉が渇くことがわかっていれば、水筒を持って出かけることができるわけです。
そうすれば、喉の渇きがあっても水筒の水を飲むことで消費が抑えられるわけです。
たかが150円かもしれませんが、毎日飲めば4500円です。
水筒なら2000円程度でも立派なものが買えますし、4500円も出せば保温機能もあります。
ペットボトルを再利用したり、再利用のペットボトルに保温するカバーをかけてもいいでしょう。
消費と投資、娯楽と浪費
「これは消費じゃない、投資だから。」
言葉の意味を取り違えてこんな解釈をする人がいます。
投資というのはリターンが明確にあるものです。
自販機で買うジュースは、消費の中でも、リラックスや娯楽といった気分を上げたり和らげるためのもので、投資ではありません。
誤解しないでいただきたいのは、消費がいけないと言っているわけではありません。
究極をいえば我々はあらゆるものを消費しながら生きていますから、ほとんどのものは消費です。
ですから、消費を抑えれば残るものがあるわけですから、消費に意識を向けていこうということです。
そして、娯楽も必要です。
楽しみのための消費も必要ですが、それを意識することが大切です。
これは娯楽だからこういう範囲で消費しようという意識があれば、ずるずると消費しつづけて、いわゆる浪費にならずに済みます。
浪費とは、無駄使いとも言われますが、後から後悔するお金の使い方です。
意識をして意志をもって使うことで、後悔は少しでも減らすことができるはずです。
無意識化しやすい消費
最初は意識をしていても、日常になってくると無意識になってくることもあります。
無意識になるとそのサイクルから脱することが難しくなります。
でも、意識に変えていくことで、意識した消費にできますし、浪費からは脱することができるはずです。
次に挙げるものはその一例ですが、これらがすべて浪費ということではありません。
意識をしていくためのひとつのキッカケであり、ひとつの見方・考え方です。
これらの例に限らず、あらゆる習慣があると思いますので、一度ご自身で見直してはいかがでしょうか。
ジュース、酒類
喉の渇きを潤す以上に、飲むことへの欲求を満たそうという傾向があります。
習慣化すると、糖分を取り過ぎて糖尿病になったり、酒はアルコール依存症になったりします。
コスト:
ジュースを毎日1本飲めば月4000円程度
ビール缶を毎日1本飲めば月7000円程度
両方飲めば月間1万円以上になります。二日に1回にするだけで半分になり、ジュースを水筒に替えて発泡酒などに代えれば3000円程度になります。
飲み過ぎで病気になりやすい飲料系で病気になると、かなり高額な医療費がかかってしまいます。
菓子・ケーキ類
ついつい甘いものを食べてしまう、間食がやめられない、という人も多いと思います。
欲求のままに甘い&辛い&油っぽいものを口にすると、生活習慣病まっしぐらです。
コスト:
少ない人で1日100円換算で3000円程度、多い人はその倍の6000円程度になっているようです。
100円のお菓子というのはほとんどないので、200~300円くらいのものを2~3日に一度くらいはありえるかもしれませんね。
でも、そのお菓子のほとんどに栄養はありませんし、油か塩か砂糖が体に負担をかけていきます。
たばこ
タバコの値段は年々値上がりをしていきますね。
禁煙外来で保険が使えるように、一種の病気あるいは病気になることが確実とされている依存症ですね。
コスト:
1箱430円ですから、1日1箱で12,900円/月、2日に1箱で6,450円/月、3日に1箱で4,300円/月になります。
これに加え、タバコによる肺炎や気管支炎などの病気への懸念、タバコの煙による汚れのクリーニングなども必要になります。
雑誌・マンガなど
週刊誌などの雑誌やマンガも、それなりの値段がします。
ついつい次が読みたくなる、ここまで読んだら止められなくなる・・・ということはあるかもしれません。
情報や趣味としての側面もありますが、娯楽としての側面もあります。
本も含めて、新しいものは高く、中古はとても安くなります。
時間とともに価値が低下していくものなので、少し待てばタダ同然になることさえあります。
大抵は一度しか見ないようなものばかりですから、その値段と自身の満足感、その持続時間など含めて測ってみるのも良いかもしれません。
ギャンブル
賭け事は、娯楽として少し楽しむ分には良いでしょうが、それがないと生活にハリが出ないというところまでいくと、依存症の1つかもしれません。
パチンコ、スロット、競馬、競艇、ロト・・・日本では賭博は禁止されているにも関わらず、合法なギャンブルがたくさん存在しています。
ギャンブルで稼ぎたいということよりも、射幸心(しゃこうしん)のために時間とお金を費やすという目的も多くあるでしょう。
ギャンブル以外でも、射幸心ともいえる幸運を感じられることはもっとあるような気がします。
ゲーム
ゲームという遊びの時間にとても多くの人が、時間とお金を費やしています。
もちろん楽しいですが、それなりにお金がかかります。
ハードウェアとソフトウェアだったり、スマホであればアプリやアイテム課金?なるものがあります。
コンプガチャ問題があったように、射幸心(しゃこうしん)を煽って高額なゲーム代を請求されることもあります。
そしてそのゲームをやっている時間は消費にしかなりませんし、のめり込み過ぎて不眠で死亡するという事件も起こっているほどです。
テレビ
テレビをつけっぱなしという習慣になっていませんか?
いろいろな家に訪問をすると、テレビがつけっぱなしという確率がとても高いです。
誰も見ていないにも関わらず映像が流れ続けている光景はとても違和感があります。
また、ドラマやバラエティなど、見ているだけで楽しいものであっという間に時間が過ぎてしまうことも多くあります。
1日2時間見るとすると、1年で730時間。1日24時間で割ると、なんと30日になります。
これからも、1年のうちの丸1ヶ月分の時間を、テレビを見ているだけのことに費やしますか?
スマホ
テレビを見る人が少なくなった一方で、スマホへの依存で時間を消費してしまいます。
最近ではSNSやチャットなど、いわゆる暇つぶしのツールが人気ですね。
こういったものを見ているだけで、時間があっという間に過ぎてしまいますね。
また、液晶からはブルーライトが出ていることから、長時間見ていると目が疲れたり、眠れなくなったりすることもあります。
寝る前にスマホを見ると睡眠に障害も出るので、健康への影響も懸念されます。
スマホもテレビと同じで、1日2時間見るとすると、1年で730時間。1日24時間で割ると、なんと30日になります。
これからも、1年のうちの丸1ヶ月分の時間を、スマホを見ているだけのことに費やしますか?
徒歩とバス
歩ける距離であるのについバスに乗ってしまう、そんなことはありませんか?
歩いて15分程度であるけれど、時間がないとか体がダルいなどの理由かもしれません。
でも歩いて15分の運動、散歩にはそれなりに効果があるでしょう。
ない時間は少し早めに行動したり、歩くことで体の調子も良くなります。
コストは、往復で一日400円ほどのバス代は、20日間で8000円にもなります。
車・バイク
車やバイクは必要な場合も多いですが、一線を越すと浪費になります。
新車は車検が3年なのでお得なようですが、中古車を買うほどお得にはなりません。
また、車には、車検や保険、自動車税や整備・メンテナンス、駐車場やガソリン、高速料金など、ランニングコストが意外にかかります。
2年でかかった金額を24ヶ月で割ってみて、1ヶ月あたりどのくらいの支払いになっているか計算をすると、ビックリすると思います。
車検で10万円、保険で10x2=20万円、自動車税が3x2=6万円だとしても36万円。
24ヶ月だと1.5万円ですから、これに家や出先での駐車場やガソリン、高速料金や整備代を入れると2~3万円は最低コストになります。
電車より便利で安いように感じますが、住む場所と生活スタイル次第では、車は要らないかもしれませんね。
夜更かし
夜型生活では電気を消費する傾向にあります。
夜は電灯をつける必要があり、暑い日や寒い日には冷暖房をつけることもあるでしょう。
朝型生活では、電灯や冷暖房をつけることはあまりないです。
また、同じ電気を使うとしても深夜電力のほうが電気代が安いです。
そもそも健康には朝型の方が良いとされています。
無意識を意識かするためには
こういったもの以外にも、生活を見てみると色々な消費が出てきます。
これらを見つけるには、生活を振り返るだけでは難しいので、やはり家計簿をつけるのが一番です。
どんなに細かい消費であっても、チリツモの感覚が意識として芽生えるだけで、ずいぶん消費スタイルが変わってくることでしょう。
単に切り詰めれば良いということでもないと思います。
意識をもって消費する
これさえできれば、消費に後悔することは減るのではないでしょうか。