とりあえず、モノをつくりたい
何かモノを作りたいという起業相談を、よく受けます。
「そのモノを買ってくれるお客さんはどこにいますか?」
その質問には、
「自分のような人」
という答えが返ってくることが多いです。
つまり、
「自分のように、そのモノを要望している人は、たくさんいるはずだ」
ということです。
それは、本当なのでしょうか。
いいね!は、ご祝儀
あなたがそう思っているだけで、本当に他にそういう人はいるのでしょうか。
「だって、自分の周りに話すると、とっても共感してくれるし、作ったら欲しいというし・・・いいね!」
まあ、友達ならそう言いますよね。
頑張って!というエールと、軽い会話で、1回くらいなら買ってくれるとは思います。
そんな「ご祝儀」は大切ではあります。
ですが、冷静に考えてみてください。
どこの誰だかわからない人が作ったその「モノ」を、あなたは買いますか?
自分が作れるもの
自分が欲しいもの
自分が困っていること
それをビジネスにしようと思っても、99%うまくいきません。
人が欲しいもの
人が困っていること
それを、自分が作れるもの。
それがビジネスの考え方です。
とりあえず作って試す。
それもひとつの方法です。
作らないと、意見はもらえませんから、作ることは大切です。
それは試作品であり、リサーチのためです。
でもそれは、商品とはいいません。
α版であり、β版です。
その試作品段階で意見を聞き、人(マーケット/市場)に対してどのようなニーズやウォンツがあるのかを調べます。
そこで真の「顧客像」を見つけ、ペルソナを描きます。
そのペルソナをベースに、顧客の集団をつくります。
ものづくり、より、客づくり
どんなモノを作ったらいいかは、お客さんから教えてもらうものです。
もちろん、自分が描くビジョンに向けて、それに共感してもらえるお客さんからです。
ただ、お客さんの言うことを聞いていれば商品ができるわけでもありません。
そのコメントに沿ったものを作るのではなく、自分のつくりたいモノの開発に必要な部分を反映していきます。
こういったお客さんとの関係性を通じて、自分がどんな人をお客さんにしたいのかを、選んでいくこともできます。
そうやって関係性をつくり、広げていくことで、自分が想い描くモノの姿と、マーケットが必要としているモノの姿とが一致するのです。
もちろん、試作品としてのモノの存在は、とても大切です。
その試作品などをベースに、顧客のグループを大きくし、共感し賛同いただける方の母数を増やしていくことが大切です。
そして、実際の商品が出来た時には、それを買ってくれるお客さんがそこに存在しているため、投資をして成長できるビジネスとしてのスタートがようやく始まるのです。